レビュー一覧

「願い叶えたまえ」のシリーズとあったので購入。全部で2作品と最後に書き下ろし短編が入っています。エロ要素は少ないです。前半「青春の病は」は「願い叶えたまえ」とは無関係で、偶然仕事上で再会した元高校の同級生ふたり(ゲイとノンケ)のお話し。再会してからのふたりのストーリーの中に、彼らのルーツとも言える高校時代のエピソードが組み込まれます。西田さん独特の切なさとクスッと笑えるバランスが絶妙です。そして後半の「天国が見える」が「願い叶えたまえ」のスピンオフです。深見の側近だった工藤のその後、日本を出た工藤が出会った青年との短いエピソード。こちらは悲しい展開ですが、単にアンハッピーエンドとは違うと(個人的には)思ってます。最後の書き下ろしは2作品を絡ませた短編でほっこりできました。

内容は表題作と「願い叶えたまえ」のスピンオフ、それと表題作とこのスピンオフを絡めた書き下ろし6ページです。この書き下ろしもこのページ数でもジーンときました。よく書き下ろしって「エロマシマシ」のためや本作で成立したカップルの「アマアマ」な状況を書く事がほとんどではないですか？でもこの書き下ろしはイイんですよ。さすが西田先生(西田ヒガシに改名)。ジンジンきました。現在10名レビューがありますが、評価は4.6です。これを見ても読んだ皆さんは満足されてるんだなーと思いますが、初見の方はやっぱりとっつきにくい絵ですよね。私自身も敬遠してた理由ですが色々なBLブログに「隠れた名作」、「映画のよう」とあり、えいやっと借りてから西ラーで全作品コンプリートです。エロもほとんど無いし萌えも少々。気の強いカッコいい女が少々出てきますが、それがお話に現実味をもたせてくれます。10年も前の作品ですが、全く古くはないしこの大人なストリートにはこの絵だと必ず思います。初めての方は表題作を読んで頂いたあと他作の「願い叶えたまえ」を読み本作品後半の「天国が見える」を読むのが絶対にオススメです。薄々はわかってはいまけど、あの人はやっぱりあんな感情を抱いてたんだなーとわかります。

この作家さんは本当の大人同士のリアルな恋愛を描かせたら右に出る者ないと思うほど…絵は正直好みがあると思います！実際、私も最初はちょっと抵抗があったのでw…割りと短編の多い作者ですが今作はじっくり主役二人それぞれの立場から相手への想いを描き連ねて行きます…学生の頃の甘酸っぱい？思い出が大人になって粉々に壊れてしまう…それをどんな形で修復して行くのでしょうか？ラスト…私としてはもう少し先を知りたかったです(描き下ろしあり)

作者買い。この作者さんの作品の登場人物ってホントに男くさくてそこが魅力の一つで、こういう作品にそれがよく発揮されてると思います。惚れた腫れたたけじゃない男二人のリアルなやり取り。二人の始まりである高校時代のあの日、松本があそこに居た理由と、それを目にした湊の心情の変化に唸らされます。そして「天国が見える」はこれだけ読んでも訴えかける作品だと思いますが、「願い叶えたまえ」を読んだ方には特におすすめ。深見を深く想う気持ちがよく表れていますし、工藤も幸せになれそうな予感が漂っていると私は感じます。

工藤さんのその後が知りたくて手を出したのだけど、表題作にどハマりしてしまった。ゲイの湊とノンケで彼女持ちの松本。湊の心情が痛いほど切なくて。カミングアウトしたあとの松本の気持ちは普通の反応だよね。それでも好きでどうしようもない湊の涙がたまらなかった。お目当ての工藤さん、いつか必ず彼だけを大切にしてくれる人が現れることを祈ります。

作者買いです。表題作はじわじわと染みを増やしていくようなお話でした。後半のお話は切なくて苦しくなる。でも、好きです。

艶っぽさが薄い絵で読んでいなかったのですが。余韻のあるお話を描かれますねー。一話目は高校の同級生の話ですが関係性がとても丁寧に描かれていて、松本くんの激しい拒絶や、普通の人生に拘るところとか色々小さな伏線がよかったです。二話目は前作を読んでいないのですが、クドーさんかっこいいですね。ラストの話で元気そうにしていて嬉しかったです。

２つのお話。表題作はゲイであることを認めたくない者の葛藤とでもいえそうな。後半「願い叶えたまえ」の工藤さんのその後が描かれています。

絵は好みではないのですが、何か仄暗い所をついてくるというか…印象に残る作品でした。ノンケの反応がリアルで、後半に主人公が感情を露にする場面は痛々しかったです。後描きマンガで二人のその後の関係が垣間見れて良かったです。

絵柄が好みでないというだけで手を出さずにいた過去の自分をパンチしたいです。すっかりファンです。男ふたりのやり取りのずば抜けたセンスにキュンっとさせられっぱなしでした。相変わらず意味の分からぬ後書きには却って作者の奥深さを深読みしてしまいます。