レビュー一覧

イケスミチエコ先生の漫画を現役時代から読んでいました。この世代の少女漫画家は改めて今読んでも凄い。ストーリー性もさることながら、今更ながら絵が上手い。夢見る昭和世代の読者をターゲットにした、時代背景を踏襲した舞台設定とお話作り。あってないような矛盾でさえ、ひとつの作品として完成させている。ドラマ性の高い作品のあとは、ミステリー系作品を多く描いていたと記憶しているが、流れるペンタッチの美しいキャラクター描写が印象的だった。

復讐もの家族を殺されて復讐へと。日本人なのに外国人として 、何故バレないのか？次々と標的を。ひょんな事で死んだ家族と血が繋がってない事を知る。色々絡み買ってる。謎の男性が異父兄であったり。彼等の母親はアフリカ人て肌も当然でも彼等の肌は…何故か白い。必ず色素の濃い方を受け継ぐと言うわけではないのは知ってるけど

華麗な絵とドラマティックなストーリー。まさに昭和の少女漫画の王道！グイグイ引き込まれてしまいました。鈴香と忍の母はアフリカ人女性なのに、2人の肌色が濃くないのでアレ？とは思いましたが、細かいことは気にしないで楽しんで下さい（笑）。あと、「孔雀の微笑」（こちらもイケスミ先生の作品）でもそうでしたが、女性同士の愛がフツーに出てきます。当たり前のように自然に描かれているので、もう気にならなくなってしまった（笑）。

会長の正体が意外な人とわかりました。とても壮絶で悲しいストーリーでしたが、読み応えがありました。同時収録の短編も悲しいお話ばかりでしたが、面白かったです。