レビュー一覧

ヒーローは両親が亡くなり、家長としての責任、そしてヒロインにその負担を負わせたくないと思うあまりに、ヒロインと距離を保ち続けます。ヒーローの苦悩も共感でき、誤解によるヒーロー一家との関係が一時期断たれた時のヒロインの苦境には切なくなりました。また後半ではヒーロー妹の成長も見られ、ホッとしました。結局ヒーロー一家みんながヒロインのことを好きなので、誤解はあったものの、温かい気持ちで読むことができました。

この作者はいつも文章の運びがうまいんですよね。読者を飽きさせない展開で面白いです。孤児のヒロインがとてもいい子で後半は何度も何度も涙ぐんでしまいました。親友であるヒーローの妹は大変な美人なのに、時々知性ある優しいヒロインに嫉妬し小さな意地悪をする。でも根は悪い子ではないんですよ。最後は反省するし。ヒーローはヒロインを好きだけどいつか両目を失明するかもしれないし扶養家族もいて、ヒロインを巻き込みたくないから結婚できないと思っている。だからバージンのヒロインとは何度も何度も寸止め。ヒーロー妹の嘘は、嘘と言うより嫉妬による勘違いから出た言葉。本気でヒロインと自分の恋人が浮気したと思い込んでしまい、ヒーローもまた妹の言葉をそのまま信じてしまう。ここからヒロインが可愛そうで。でも凛としたヒロインがかっこいい。最後のヒーローの強引さも良かった。

コミックの方を昔読んだのですが、やっぱり原作の方がダイアナ節炸裂で、傲慢ヒーローでした。

始めから終わりまで、ダイアナ・パーマー節です。年上の保護者ともいえるヒーローに少女の頃から憧れてるヒロイン。少女が大人になったら恋の手ほどきをしてあげる約束もデジャヴュ。でも、年上のヒーローが自分をなぶるかのようにどれだけヒロインに惹かれているか説明するシーン、ツボです。すごくエロチックなんですよね。勿論ヒロインはバージンなので、ヒーローは手取り足取り。傲慢ヒーローが愛を告白すると、ヒロインをプリンセス扱いになるのも微笑ましいです。

コミックは過去からでしたが、原作は現在と過去を行ったり来たりなのですね。少しずつ過去に何があったのか明らかになる手法で読み手を飽きさせないストーリーでした。ダイアナのわりにそこまで酷いヒーローではないかな、と思ったのですが、よく考えたら多感な17歳に刷り込む辺りは、流石かな(笑)

もう数えきれない程読みました。なんど読んでも本当にナタリーが無事で良かった。それに尽きる最後でした。ただもしナタリーが無事じゃなかった場合、マックは後を追ってしまうんだろうなって思う愛ですね。