レビュー一覧

独特な絵柄がハーレクインにピッタリだと思います。海辺の別荘や室内装飾の絵は細密画のようでとてもきれいです。ヒロインも重い病気設定なので、全体的にはかなく悲しい感じの話です。ハーレクインはいくらおとぎ話と言っても、ヒーローがバンパイアという設定なので、多少でもリアル感が欲しい方には向かないと思います。バンパイアとバンパイアを追うバンパイアハンター、好奇心からバンパイアハンターの存在を知り巻き込まれていく第三者などサスペンス要素もあります。

しっとりとしたロマンスかと思いきや意外な設定があり楽しめました

とても暗闇の似合うヒーローでした。作品の雰囲気と作画がぴったりです

セットで購入。原作は"Wings in the Night”シリーズの７作目です。このシリーズは１作目の『暗闇のファンタジー』を秋乃茉莉先生、6作目の『暗闇のヴィーナス』を羽生シオン先生、8作目の 『暗闇のラプソディ』(今作にも出ているサラフィナがヒロインです)をアリスン先生がコミック化されていますが、今作は前作『暗闇のヴィーナス』で生死不明だったダンテがヒーローを務めています(原作では彼がドノバンやローラを回想する場面が何度かあります)。コミック版の内容ですが、2巻ある割にはエピソードが少なく、特に後半がかなりの急展開です。例えばサラフィナ(コミック版では叔母となっていますが、原作ではダンテの祖母の妹、つまり大叔母です)は原作より出番が大幅に少ない代わりに、戦闘力が物凄く上がっていて、スタイルズたちも自力で片付けて、続編と話が合わなくなっています(苦笑　一応スタイルズは生死不明ですが)。又、原作版サラフィナはダンテに対する独占欲が強くて、今作ではダンテの恋路の妨害を散々やった挙句彼から縁切り宣言を喰らっていた(続編では和解していますが)のですが、コミック版では逆に恋の後押ししています。あと、原作では後半スタイルズがストームを襲ったのはダンテだとマックス達に吹き込み、それを信じたマックスがスタイルズに協力をするけど、その後意識を取り戻したストームから真相を知らされるとかもっと色々話があったのですが、コミック版はその辺もばっさりカットされています。なお原作シリーズではマックスとルーは11作目『暗闇のソリチュード』、ストームは12作目『暗闇のプリンス』でそれぞれ主人公を務めています。

作品に漂う暗い雰囲気は面白そうな予感がしましたが、あまり好みの設定ではありませんでした