レビュー一覧

　見える人と見えない人。視覚障害者のヒロインと健常者のヒーローの間にはそんな壁があります。しかし、健常者だから完全無欠ではありませんし、障害者だから常に守られるべき弱い存在なのではありません。障害の有る無しに関わらず、悲しいことや辛いことがあれば、傷つきますし、一人では立ち向かえない困難に直面すれば、同様に悩むのです。自立心を持って生きたいという気持ちも、心から人を愛する気持ちも、健常者と障害者に違いはありません。そういう意味で、人は平等です。と、頭では分かっていても、つい間違った言動をとってしまい、相手が求めるものを与えるどころか、かえって迷惑がられてしまうものです。　本作でも、障害に対するお互いの考え方の違いから、愛する人の望む物を自分が与えられないことに、二人ともが悩み苦しみます。そんな彼らを、ヒーローの家族が温かく包み込みます。直に助けるのではなく、見守るということ。真実を告げることだけが思いやりではないということ。この作品に見ることができる「愛」は、とても感慨深いものがありました。二人がとても真摯にお互いを想い合う姿に心打たれます。読んで損はない作品です。

シリーズ６作・リヌッチ家の息子たち６−四男フランチェスコ編です。盲人であるヒロインと彼女にベタぼれのヒーロー。そんなふたりの別れからお話ははじまってます。再生愛の話だけで終わらず、ヒーローの心の闇もお話に織り込まれています。そしてシリーズ最後をしめくくっているのはリヌッチ両親です。このシリーズ、どのお話もイイです！

シリーズ最後のお話です。愛にあふれた家族が素晴らしくて盲目のヒロインがまぶしかった！

　最終話にふさわしいラストでした。　結構言葉にするのは難しいけど、登場人物がぐっと精神的に成長していく話で、ロマンスとか愛とか恋とかそれ以上のものを楽しむ物語ですね。

両親の深い愛情、育った環境が大人になってからの長い人生に影響するのだと感じました。息子達だけではなくお母さんの素敵な出逢いがあっての物語です。

愛を失う辛さと人を愛する希望を描いたシリーズでした。特に今回のヒーローの愛する人を見守る勇気は、ヒーロー達の父親に被る印象です。このシリーズの立役者はその父親ですね。家族に深い愛情を抱いていて、時には正すこともあるけれど、常に一歩引いて自ら中心にはなれない。そんな人間臭さがある印象です。どの夫婦も幸せが続いて欲しいと思うシリーズでした。

「リヌッチ家の息子たち」シリーズの6作目は4男のお話。盲目のヒロインを愛するが故に過保護になってしまい息苦しさを感じ別れを告げられてしまったヒーロー。忘れられずにいる所にヒロインが忘れものを届けに来ます。ヒーロー家族のディナーに呼ばれたヒロインがヒーロー一族に囲まれてるシーンはとっても素敵でした。シリーズ最終話に相応しいお話でした。

リヌッチ家シリーズ大好きで、寂しいけどこれが最後。他の方も仰ってますが、健常者だから万能、障害者だから弱者、というのは間違ってるんですよね。それと、その時一番好きな人が、人生に於いて一番愛する人とは限らないという事も。色んな事情があって、色んな思いがあって、色んな愛がある。これからも続くだろう、家族の日常。素晴らしいです。

最後にふさわしい話ですね。トニーの愛がスゴイ！ホープのことすごく愛してるのに、愛されていることに少しやっぱり自信がないというか、自分が1番でないと思っているというか。ちょっとちょいちょい切なかったですね。でも、最後にホープから二人で過ごす提案をされたときのなんとも言えない表情が良かったです。トニー、良かったね。っていうことで、本題の2人そっちのけなのですが。あ、いや今回の本題はやはりホープとトニーということだったのですな。

お父さんは大きな器の方っていうのは最初からわかっていたかなぁ。こんな複雑な家族を率いているしね。目の見えないという事の恐ろしさがすごくリアルに表現されていてそれにも恐れ入りました。さすがです。