レビュー一覧

この作者さんの小説は初めて読みますが、大変読みやすかったです、絵画への説明がわかりやすく興味が湧き、素人の自分でも美術館へ行って見たいと思わせてくれました、物語は最初から悲しく切なく始まります、そして十希に厳しく悲しい現実が降り掛かります、十希や旭の心理描写がとても丁寧で心が苦しい、特に小さい頃母親をなくした十希の、何処か大人びた考え方や、諦め、我慢など、胸が締め付けられそうなほどに切ない、頑なな態度だった旭が徐々に打ち解けていくところ、ページが進むうち、ゆっくり二人が近づいて行っているような気がしました、このままなんて嫌だ、、、と勝手に思ってしまいましたが、フワフワした気分で赤面しちゃいそうな気分で、ラスト読んでました、先生の物語に残した宝探し、読み終えて治まってきた涙腺がまた崩壊しちゃいましたよ。。。他の作品も読んで見たいです。

作者さんもシリーズも好きなのに、なかなか受くんの心情に同調できないときもあるんですよね、歳でしょうか。それでもお話やそこに流れる優しい空気が好きだなって思います。

作家買いです。ですが、受けの十希は何でこんなに旭のことが好きになったんだろう？という疑問がずっと残ってしまって、お話に入り込めないところがありました。でも作者さん特有のふんわり優しいトーンや切なさもあって、それはそれで良かったです。春恋、秋色のスピンオフなので、アキと美里もちょっとだけ出てきます。

切なくて、最後まで結末が分からなくて、、。よかったです。人を好きになって思い続けることのせつなさや幸せな思いを感じるストーリーです。

二人の気持ちの変化がすごく自然でした。あまりに自然で最初の頃と全然違うふたりに読み返した時ビックリしたほどです。そうだ、最初は帰れとか言われてた！的な。物語としては受け目線で進んでいくんですが、攻めの段々変わる受けへの気持ちもしっかりわかるのでじわじわ心があったまっていく感じです。絵画教室の秋山は春恋、秋色ではメインで出てくるので彼の発言の背景はそちらで確認できます。三作読むとより面白いと思いました。

この作者さんのお話は３つほど読みましたが、どの作品もキャラクター(特に受)がどこか浮き世離れしててほわほわした印象なんですが、なぜか不自然には感じずすんなり読めてしまうところがいいですね。このお話の主人公もあまり世間一般の男子高校生らしからぬ雰囲気ではありますが、心理描写が丁寧にされており、お互いがお互いに惹かれる理由というのもきちんと描かれているので、感情移入して最後まで読むことができました。わたしは好きなんですが、独特の作風ではあると思うので、苦手と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

始まりが亡くなった父が恋していた相手に、父の残した手紙を届けるところから始まります。それだけで、この先、どうなるのかと、グイグイと読ませていきます。この作者様は、言葉の使い方、情景や感情の表現が素晴らしいです。でも、この作品は「完璧な箱庭」のような感じで、どこもかしこも作られている感がして、あんまり感情が入っていかなかったです。受けの高校生の一人称で語られるのですが、それが高校生らしからぬ表現があって、受けの背後に作者様の影が見えてしまうんですよね（たとえば、「旭は‘らしい’って言葉をよく使う。他人を主観にはめこぶ言葉」とか。その通りですが、高校生で、ここまで分析できるか？とか）。この作者様にしては設定に溺れたような気がします。

この人の話は、すごく好き読みやすい。か、読まなきゃ良かった。悲しい。か、に分かれるのは何故かしら。

ピュアなお話。年上の画家と高校生の触れ合いを描いてます。切なくて優しいストーリー、私は大好きですが、お綺麗過ぎてダメな人も居るみたいですね。他の人も書いてますが、高校生が画家を好きになった理由もよく分からない。私はその辺は勢いで読めましたけどね。その点を考慮した上で読めそうなら是非。

『春と秋とソラの色』の短編を読んで気になって購入しました。素直で、まっすぐでいじらしい主人公。読後感の良い作品でした。