レビュー一覧

よしながふみさんのＢＬの中でもお勧めの作品です。かなり前の作品ながら、現在と絵柄もそんなに変わっていないのがさすがです。とにかくまっすぐで生真面目な田宮と、お気楽なボンボン藤堂（大物政治家の息子）のちょっと普通と違った大学生活。（ＫＯ大がモデルとなっていますが、田宮くんの所属するゼミが普通からかけ離れた超セレブが集うお気楽ゼミなのです）田宮が悩みながらも自分の性癖と向き合い、実は見かけほどチャラ男ではなかった藤堂と少しずつ関係を深めてゆきます。それぞれの心の動きが丁寧に描かれていて、読後には爽快感を覚えます。2巻では同人誌に発表された「その後」の作品の再録なので、1巻に比べてかなり過激…ガッツリＨシーンが入っています（汗）学生時代のシリアスムードもどこへやら？すっかりバカップルとなってしまった2人が楽しめます。（といっても田宮は変わらず真面目で堅いのですが、藤堂がすっかり乙女ちゃんに?!）藤堂の弟くん（優秀でハンサム…なのに老け専）と田宮の同僚の教授の恋物語も、かなり面白いです♪シリアスあり、笑いあり、エロあり…と何とも魅力的な作品です！

面白いです。今の大学生だったら、ちょっと古いと思うのかなあ。絵柄も古いですしね。でもよしながさんと同世代の私は、なんとなく懐かしい気持ちで楽しめました。港区三田の某有名大を舞台にしていて、主人公二人の関係性が、大学生活の中で描かれています。よしながさん自体がそこの大学院の法学研究科出身なので、かなり誇張されてはいますが、リアリティがあるエピソードなんかもあります。二人が惹かれあい結ばれていくまでの過程もキュンキュンしますし、すっかり田宮に首ったけってかんじのその後の藤堂の姿もすごく楽しかったです。

よしながさんの作品は、登場人物が地に足が着いていると言うか血が通っている。BLなんて割と女の子はステレオタイプだったりとって付けたような場合が多い中、ちゃんと「生きている」んです。「きのう何食べた？」の片鱗もあったりして楽しかったです。

よしなが先生の作品は本当にリアル感がすごい。大学が舞台のBL漫画は数あれど、法学部の授業内容やゼミの様子をあれほど事細かに描いているのには驚きです。そんなリアルな世界観（セレブばかりが集まるゼミというのはちょっと嘘っぽいですが）だからこそ、登場人物たちが生き生きして見えて素晴らしいです。そして相変わらず美味しそうな食事の数々…。1巻は二人が付き合うまでのお話しなので、ぜひとも2巻も読んでほしい！2巻から登場するもう一組のカップルもオススメです。

あぁやっぱりいいなぁよしながふみ作品。苦労して同人誌を手に入れてたのに電子本で読める日が来るなんて(涙)。他の方も書いていますが独特の間が良いです。あと、大事な場面でセリフが１つもないのに画面送りだけで多くを語る上手さ。１巻は話の流れがテンポよくHもあっさり目です。それでも十分楽しめます。２巻目から田宮君が切なくなっちゃってどHな展開が繰り広げられます。藤堂君も社会的に頼もしくなって素敵です。エリート受がHの時ちょっといじめられるとこが好き。

これは私がBLにはまり始めの頃に読んだ本でかなりの思い入れがある大好きな作品です。実は一途なチャラ男×可愛い顔して男気ある受けのカップリング。大学生活もきちんと描かれているし、二人の背景も手を抜いてない。一つの作品として完成度が高いです。それになんと言っても受けの田宮のキャラが無敵。大学生が主人公のBL漫画は数えきれないほど読んできたけど、この田宮を上回る受けキャラに出会ってないような気がします。２巻で二人は社会人になっているのですが、こちらは藤堂の報われなさっぷりが見物です。さらに老け専の藤堂弟×やたら純情な先生のカップリングも登場。この藤堂弟のちょっと切ない過去話も良かった。しかし大物政治家の家に生まれた男子二人がどちらもゲイって....ろくでもないお父さんなのですがちょっと気の毒。

絵は少し古い感じですが、ベテランさんならではのうまさとでも言いましょうか。表面チャラ男（ゲイ）攻×マジメ堅物（潜在的ゲイ？）受の組み合わせで、大学で出会った二人が色んな出来事の中、少しづつ距離を縮めていくお話です。チャラ男というより、何でも柔軟に笑って受け入れてきた攻。彼にとって真っ直ぐで自分を貫き通す受が眩しくて、私が見る限り攻は相当ホレてるんですが、中々手を出せずにいる。その辺りがもどかしいような優しさを感じるような、不思議な感覚です。あとＢＬにつきものである「嫉妬」に絡む話がほとんどありません。これも珍しいですね。Ｈは少しですが、一冊全て彼らのお話だったし大満足の一冊でした。続きがあれば当然買いますが、なくてもどこかで探してでも読みたいですね。

久々に値段に見合った完成度の高い本に出逢えました。よしなが先生独特の表情だけで読む所とか擬音だけで読む所など、漫画でしか分からないような間の取り方にセンスを感じます。筆者も慶応法学部卒というでけあってリアルだし、バブル期をほのかに感じさせるような脇役達が凄くいい味出してます。１巻の主人公が自分の性癖に自覚しつつなかなか友情から発展しないシリアス気味に対し、２巻のギャップにやられました。汁っけたっぷりとか、卑猥な事沢山言ってる訳じゃないのにエロいのは技量だと思います。しかもただエロいだけじゃなく面白い。２巻で弟が登場しますが、弟くんの過去の話はほろ苦くとても切なくなりました。何回も読み返し気付いたのですが、弟くんが前好きだった人に借りてた刑法の本？が今付き合ってる人が書いた本とは！！細かい所まで小技がきいてて素晴らしいです。

わからない。ジェラールを読んで借りてみたが、全部読めなかった。白々しい正義感。半端な遊び人。設定が古くて、彼らの感情すら古いと思った。もっともっと前に読んでたら面白いと思ったのかな？

1巻だけなら「良かったけどこの先が見たい・・・」と言って☆４だったけれど、見たいその先をちゃんと2巻で。さすが大御所。ありがとうございましたw