レビュー一覧

すごいです。何せ絵が。いや、お話も。なんでしょう、私BLを読むつもりだったんですが、美術書を手に取ってしまったんでしょうか。これは紙の本で見たいです。どれくらいの時間を費やして、一話を描かれるんでしょうか。いらぬ心配をしてしまうくらい、見たことない漫画です。いや、漫画じゃないかも。絵画かも。受けとか、攻めとか、そんな言葉が不粋に感じるくらい、美しい世界観です。アートです。こんなに書き込んでいて、尚且つ魅せられるばかりで、暑苦しさなんか欠片もない画面は初めてみました。キャラも皆、端整で、艶めいています。どうか皆に見て欲しいです。美しいものは、容赦なく人の心を奪ってしまうから。

恋愛のストーリーとしてはとても単純で深みはありません。「どこにでもよくある話」で、意外性や驚きは特にないです。短編集ならではの浅さが否めません。ただ、繊細で美しい絵と巧みに構成される非凡な言葉たちがそうした平凡なストーリーを大いに彩り、独自の世界観（オリジナリティー）を高めています。この作品のオリジナリティーは、生物（＝万物）の営みの中に人間の在り方を取り込み、恋愛でさえも生物としての当然の摂理として描いているという点にあります。そして嬉しくも、タイトルを含む作品全体がそうした方向性を見失わずに一貫性を保っています。まるで、「生物学的人間学」を一貫して追求し続けた作品のようでもあります。ただ、標題作に関していえば、生物（特に植物）の営みの中に人間を取り込んでしまったために、人と人との感情の衝突やせめぎ合い、葛藤など植物の世界では（おそらく）見られない人間ならではの泥臭さの深みを描写しきれず、表層的な描写で終わってしまったのがとても残念です。それがこの作品を恋愛ストーリーとして見た時の「平凡さ」に影響していると思われます。独自の世界観を堪能するだけでも楽しめるとは思いますが、恋愛ストーリーとしての深みを堪能したい方には不向きかもしれません。

お宝に遭遇！何なのこれ(笑)心情描写(文字では無論のこと、絵で「魅せる」が巧妙。)が巧でその流れが恐ろしく自然でいてジワリと切ない。キス程度でドキリとさせてくれるあたりがニクい！エロ重視の私にあり得ないリアクションをくれました(笑)3作中2作がファンタジー、通常なら食指が動かず選択しないカテですが、これは考え直さなければいけないかも。2作とも優しくて綺麗なお話、安易にオチが予想出来たのにまんまと感動してしまいました(笑)表題作もっと読みたい！でもこの物足りなささも作品の良さでもあるような、、飢餓感を誘う、みたいな。いずれにしても秀逸な一作です。うん、やられました。

単行本一作目だそうですが、そうとは感じないくらいボタニカルアートみたいな背景や小物の緻密な書き込みが素敵です。淡々としたリズムで進むので、BLというよりなんだかポエムを読んでいるような不思議な雰囲気のお話でした。エロを求めている人にはちょっと物足りないかもしれませんが、お話も絵もとても丁寧に作られた作品だと思います。

短編集ですが、個人的なツボをおさえて頂き、満足しました。ページ数の横に描かれた植物などの小さなイラストもGood(ﾟ∀≦ｄ)　表題作は、菌類学博士：室田×助手：岩井（バイト）です。 contentsには記載されていない「前・中・後篇」と、「残灯」の4話で成り立ち、「残灯」では第3者目線を加える事により、室田と岩井の2人がとても幸せそうに見えました。 後篇の表紙の菌糸がのびていくようなイラストが、まさに岩井の心のようで印象的。 特殊な分野ですが、植物好きなら尚、興味深く読めると思いますよ？ あの静かな世界で再会するタイミング、それ後の展開、よくまとまっていました。 研究を通して同じ種類の発見や幸せを共有できる相手と過ごす時間、彼らにとってこれ以上の幸せはないような気がしました。 contentsで見ると6話の短編集に見えますが、登場するのは3組です。 いずれもSEXはありませんが、それぞれ設定が違うので飽きずに読めます。

全部で3作品入っています。2作目は好みでした。正直、なんでこんなに高評価かわかりません。買って失敗でした。確かに、絵はとても綺麗ですが、これは漫画ですよ？絵よりストーリー重視であれば、オススメできません。綺麗な絵を見たい方にはオススメだと思います。

高評価だったので、借りてみました。私には、画の凄さが伝わってきませんでした。逆に読みにくい画面だなと感じ、それがストレスでした。紙媒体の方が良さが判るんじゃないかな？電子のまま無期限にして、何度も読みたいとは思いません。期待し過ぎた分、落胆も大きかったです。残念。

こういう艶っぽいお話は大好物です。第一印象はやたらエロいキノコと色っぽいサカナ…。キツネは普通に可愛い話でした。画力はとても一作目とは思えないほど緻密です。いや、逆に一作目だからこその奇跡ともいえるのかもしれません。非常に丁寧で美しく引き込まれる作品です。また、ストーリーは一見不思議なんですが、非常に単純で読みやすい内容で、そこも初々しくていい。これからも応援したい作家さんです。

とても良い感じのお話です。特に表題作は感情と小物（植物・菌類）との絡ませ方がとても綺麗でした。３作のうち最後の話のみありきたりさを少々感じましたが、こうの可愛さの前ではそれもＯＫかと。エロはありませんが、読後に植物園や水族館へ行った後のような、不思議な非現実感を覚える素敵な一冊です。

表紙に惚れて購入しました。標本ですか！と思う位、草木の描写などが細やかなのに迫力があって独特の世界観が素敵でした~(^^)ただその分、人物描写は結構あっさりで…背景の素敵さに人物がのまれてしまってる感じがありました…(´`:)先生のだめっぷりや２人が惹かれあう経過がもっと見たかったです！表題作の他に高校生カップル&孫とお爺ちゃんの不思議な友だち？のお話が載ってます。静かに穏やかに進んでいく物語を読みたい方にオススメです。