レビュー一覧

この時代の上海って独特の文化があって、東西入り混じったどことなく淫靡かつノスタルジックな雰囲気がありますよね。上海を舞台にした小説や漫画はBLを含め山ほどありますが、無理やり日本人を主役に持ってこず英国人X中国人というのが良かったです。（最初は日本人と中国人メイドの混血かなと想像していたのですが…）かわいさんの洗練された文章が、異国情緒にピッタリで当時の上海の光景が目に浮かぶようでした。少年時代〜レイモンドが英国から戻ってくる青年期まで、年月が流れてあわやレイモンドが結婚間近までいき、エドワードの淡々と使用人として過ごす顔の下に秘めた熱情が切なかったです。そしてやはり、日本軍侵攻が始まりその混乱の中、乗船場で別れるシーン。互いのために最善だと強く信じあっているからこそ別離を選んだふたりの意志の強さ…やはりここでは胸が詰まりました。イラスト無しでしたが、竹美家ららさんのイラストだとちょっと可愛らしすぎるような気がするので（想像ですみません）個人的には無しで良かったです。

とても切なく美しく素敵な物語でした！緻密な描写で時代背景等も丁寧に描かれていて、ストーリーの行方が気になるから早く読み進めたいけど、その美しい文章をもっとじっくりゆっくり味わっていたい……というジレンマに陥りました(笑)とても良かったです！

作者買いです。かわい作品は割と警察物で動きのある登場人物が魅力的な作家さんですが、時代背景と国際情勢を活かす今回作品のようなお話もすごく魅力的に書かれる作家さんですこのお話はその最たるものでした。唯一無二の人を見つけられた2人は幸せだなー

作者買い+時代背景買い。あとがきにもありましたが、たっぷりとメロドラマです。そして、前の方のレビューにほぼ同意です。中盤以降も、もう少しじっくり掘り下げて欲しかったなと思いつつ、好みど真ん中の時代背景だったので、そこに★5つつけちゃったみたいな。1900年代前半から第二次世界大戦あたりの世界史に興味がない方には、少々退屈かもしれません。恋愛部分がわりと淡々としているので。

とにかく健気なエドワードが哀れで可愛かった。かなり後半までハラハラさせられたが良い終わり方だったと思います。振り向いてくれなくても離れている期間が長くてもヤケになることなく自分の役目を全うし。目一杯愛を囁かれてもそれに思い上がることなく控えめに尽くす。可愛い子にこんなに慕われ続けたらそりゃあレイモンドだって絆されるし愛しくもなってくるよね。

いやぁ良かったです！時代背景や人物など、とても丁寧に描かれていて読み応えがありました。時代によって引き裂かれる２人。執事である受けは控えめでありながら、深く攻めを愛しています。最後まで執事である姿勢を崩さない受けがとても愛おしいです。「私を羨ましく思いましたか？」「ここでお別れです。旦那様」作品の中で、読みながら私がグッと来た言葉です。お勧めです。

先生のファンで購入しました。序盤は丁寧に進む為か、10ページ読むのに凄く時間がかかります。ですが先生マジックですかね、一度読み進めると一気に引き込まれていきます。本作もそうです。ベルサイユのバラの様に、あたかもあの時代に二人がいた、実話ではないかと思うスケールです。一見、都合の良い場面もあるかもですが、エドワードが「会う為にはどうすれば良いのか」を切実に願って行動した結果だと思えます。桟橋で別れる辺りは、本当に切ないです。良い作品でした。

良かった❗❗受けの忠実ぶりに胸きゅん(*´･ω･｀)b！