レビュー一覧

きちんと設定がなされているファンタジーで最後まで楽しく読めた。一途で溺愛な攻めと苦労人の受けCPはキャラ的に推せるし、彼らの霊獣達もカッコいい。おすすめのお話ですが、彼らの祖先の陥った理不尽な事件はホントに残酷で当時の王に非常に怒りを覚え、祖先達が生まれ変わって幸せになるのを望むしかない現状と反省してない今の王と王妃にイライラを感じて、もっとざまあが見たかった。受けの父の、子を想う気持ちにもグッときたが、それに引き換え攻めの父の仕打ちは一族を守るためとは言え許せん。

楽しかった。「ファンタジーは、こうじゃなくちゃっ！」という要素がたっぷり。理不尽に追放されたミフルさんはしっかりと男性ではあるけれども、優しくてどこか可愛らしい。イザークさんは初恋相手を見守りつつ、ちからを付けるべく努力を重ねてとうとう取り戻す。でも愛を伝えてもなかなか素直に受け入れてくれない。それは、ミフルさんの大切な人たちが亡くなっていったのは、自分と関わったからだと思っているから。悲しくて切ない。そして追放の元となった祖先の事件。これも理不尽で悲しくてやりきれない。原因作った２人の王様。ものすごくがっかりな人…というか憎しみわくわー。反省もない。救いは唯一何度も謝ってくれた王子様。それからイチャイチャの時の幼名呼びには、可愛すぎて内心身悶えちゃいました。

よくある筋の読めるファンタジーではなく、本当にオリジナルのしっかりした内容でした。攻めの溺愛ぶり、受けの男らしさ、とても良かったです。そしてお互いの愛の深さも泣けました。できれば2人のくっついた後のイチャイチャぶりがもっと読みたかったです。とても良いお話でした。

なにか惜しい、という作品です。主人公のミフルはとても魅力的なのですが、心境がわかりづらく、何に心囚われての行動なのかよく分からなかったです。周りの人達への愛情があるわりにはミシャカへの対応が冷たく感じられました。ミシャカが不憫です。しっかりした世界観をお持ちの作者様ですが、情景を思い浮かべるのが難しいシーンが所々ありました。力量はお持ちですし、先祖を絡めたラブストーリーはとても良かったので、今後に期待します。小山田先生のイラストが神です。

設定はしっかり作り込まれているのですが、ストーリーの軸がいまいち分からずちょっと物足りなく感じました。チケットちょっと高いかなーと思います。