レビュー一覧

カテゴリはホラーだと思いました。実際にこういう人居ますよね･･･。一体いつから増えたんでしょうか･･･、、

　内容は非常に重くかつ恐ろしいですが、とても読み応えがありました。1チケットで無期限レンタルだったのもお得感がありました。60ページ程の短い作品ですが、複数の視点から物語が重層的に語られ（一度読んだだけでは分かりにくい部分があるかも知れません）、少しクセはあるもののしっかりと描き込まれた絵にも魅力があります。　　パラノイア（妄想）を抱えた人のお話で、周囲の人も大変だけれど、なんといっても本人が一番大変というか気の毒だなあと思いました。生まれつきの資質や、生まれ育った環境の問題が、悪循環的に本人や周囲の人物を苦しめ続けるという、ある種の不公平な現実を改めて思わされました。また、「女性の幸せ＝（早めの）結婚」という価値観の社会に翻弄される悲しみのようなものも感じました（一昔前の作品なので、社会設定がやや古いですが）。　　ただ、作中ではこのパラノイアの人物は「容貌は冴えない」「服装など垢抜けしない」等と表現されてはいるものの、実際には最後までとても美しく描かれているのが救いというか、こういった人物や状況に対する作者の思いのようなものを感じました。

サイコ・サスペンスでしょうか。すごく面白かったです。脇役の役割もじわじわと迫ってくる恐怖感も見事でさすが池田理代子さんの作品といった感じ。今の漫画でこういった雰囲気のものって出会ったことない気がします。秀作！

ベルばらを描いた方ですがかなり画風が変わっています。ページ数はすくないですが、ある意味怖い内容の話です。思い込みもここまでくるとすごいなと思いました。視点の置き方が面白いです。

全体の構成はとてもうまいと思います。特に、姿も声もない画面のこちら側の登場人物の存在がおもしろい。しかし、医学的には不自然じゃないでしょうか。「婚約妄想」「結婚妄想」はたしかに存在します。わたしも一症例だけですが、直接患者を知っています。でも作品中のとみ子の行動は、妄想患者としてもやっぱり不自然だし、精神疾患の患者への偏見を助長することにならないかと心配です。ネタバレになるので、どの部分が問題かまでは書けませんが…

面白かった！　絵柄は時代を感じますが、奇麗で丁寧で見応えがあります。ページ数は少ないですが内容が濃く、意外と読むのに時間がかかってお得感があります。

有吉佐和子の小説のような、文学的な作品でした。ヒロインはイヤな女ですが、彼女の抱える孤独感はずっしりきます。共感はできませんが、憐れみは感じます。すごく悲しい話でした。

母親がこんな感じです。関わる人にとっては恐怖です。身近であるほど怒りや憎しみも。それ以上に哀れでならない。しかし本人は幸せかも知れません。

お話は面白かったです(サイコスリラー)。でも一番残念なのは池田先生の絵が代わってしまった事です。ベルばらやオル窓の頃の美しい女性の顔がもう有りません。どの女性もやたらまつ毛がバッチリだけど男顔なので、読んでいて悲しくなってきました。相変わらず背景とかは綺麗ですが、昔のあの美しい池田理代子の描く女性達にもう会えないのは1970代からのファンの私には痛々しかったです。

こわー…いますよね、こーゆー人…