レビュー一覧

タイトルとあらすじからどんな悲壮な話なのかと身構えること数分、試し読みして欲しくなり値段を見て迷うこと５分。ポチ。面白かった。所々壮大なのにそこは広がらず淡々と進むのがもったいないような、むしろ面白いような？どこへ向かうのか全く予想つかず、最後まで来て１年間の出来事でしたよ、と言うことなのか、となにか納得しました。ピザがやたらとウマそうだし、主人公は偏屈オタクではありません。

かなりの数のBL小説を読んでいますが、このお話はそれらのどれとも趣が違いました。「雪原の月影」を彷彿させる雰囲気もありますが、良く考えられた世界観でありながら、大きな冒険や戦いの描写はなく、主人公の内面にフォーカスするような物語でした。これで完結しても素敵だし、気持ちのいい余韻のさきにある続きが読みたい作品でもありました。

「今夜だけ生きのびたい」ってタイトル通りのセリフが文中にあるんですが、しみじみと心情がわかるというか、そういうことか！ってタイトルに納得するというか・・・。振り返ればたった１年間の話なんですが、２人心の動きが丁寧に綴られていて、感情移入しまくりでした。末永くというか死ぬまでお互いを大切に生きていくんだろうなと思わせてくれました。

すごい、手広い感じなのに、それほど広がらない。なんともいえない。

文章が下手でも内容がペラペラでもないのに読むのに労力が必要で、全体的に説明を読まさせられている様でどのシーンにおいても盛り上がれなかった。それでいて読み飛ばせば変わった設定なので理解できなくなるためしっかりと読まなくてないけない。せっかく良い具材が揃っているのに味付けが微妙で食べ進められないが完食したいのでストレスを感じるといった感じ。主人公としては大変だろうけれど、タイトルにある切羽詰まったドラマがそこまであるでも無く本文に出てきた時はこのフレーズを使いたかったのかなと違和感だった。小さな事件大きな事件と起こるけれど主人公の人柄のせいか淡々と進む割にどちらも大本が解決していないようなモヤッとする後味が残る。

クレーレとアーベルが出会ってから色々な出来事を経て共にいることを約束する仲になるまで…クレーレのアーベルに対する想いというか態度？が一貫してかわらない所とかなんとも良かったです(*^^*)