レビュー一覧

とてもおもしろかった！台湾に清朝時代から伝わる物語に現代の風を通して描くとこのようになるのですね。女性の置かれた立場とそれによる苦痛は今も昔も似通ったものがあると痛感しました。時代考証や呪術、当時の感覚、登場する小物まで、珍しいながらもわかりやすく説明されていて面白く読めました。知らない世界を見聞できるという意味でも素晴らしい漫画です。絵がとても上手で美しいので小さな一コマまで楽しめます。一度読んでピンとこなくても、数年後、数十年後、読み返したときにきっとなにか見えるものがあるはず。そういう漫画です。

皇なつきという作家さんで古い時代や1900年代初頭の韓国や中国を舞台にした作品を読んだことがありますが、同じ空気感を楽しめました。台湾の古い因習に囚われた女性の話ですが、主人公は若い女の子。一度読んだだけでは理解しにくい部分もありますが美しい画で謎解きや風習の勉強までできます。完結していますが続きが読みたいです。

上下２巻完結、読みましたが……お話がよくわかりませんでした。民間信仰で祀られている女性が守娘さんなんだと思うのですが、昔、大暴れしたので天界の武神が派遣されて戦って、今は人間のふりして監視されていたのかな？で、男児を産まないと迫害?される女性の扱いが嫌で縁談を断わり続けていたヒロインがお嫁に行ったら、そこん家の家長が女性迫害の黒幕で、ヒロインがそれをあばいて実家に帰って家族と幸せに暮らすようになった、でいいのかな？ここん家はお兄様がいい人です。ヒロインの意志を尊重してくれるし、男の子欲しさに妾を持たなかった(と思って見てましたが？)し、何より娘のことをちゃんと愛してる(≧∇≦)b ヒロインが結婚した相手の影が薄すぎましたが(おねショ○展開、少し期待してた)まあ、……。１回読めばもういい感じですが、独特な絵柄に星１つ追加で。

抽象的な表現や、言葉を言い切らないセリフで、話の流れを推察させる場面が多い一冊でした。題材が難しいことと加えて、読み手を選ぶ作品です。感情の動きに敏感な方には、心に刺さる漫画だと思います。

非常に良作！と、書きたいのですが、何の知識も無しで1回読んだだけでは何だかよく分からなかったので星4つなのです。作中要所要所に丁寧な解説がちゃんと載っているので、そこを熟読し自分でも台湾三大怪奇伝説について調べた上でもう1度読み直したらストンと入ってきました。この世のものでない者たちがとても身近に感じられるのは台湾の風土というか土地柄なのしょうか。女性が虐げられる時代に主人公の少女が幸運だったのは兄が彼女を尊重してくれること、その妻である義姉も頭が固く厳しいけれど決して悪人ではないこと、そして纏足をしなかったこと。名士の令嬢で纒足していないのは本当ならありえないと思いますが、この自由に走れる大足は当時の女性の扱われ方に疑問を抱く、ある意味とても現代的な主人公を象徴しているのかも知れません。

すっきりしないような、なんというか、まだ続きがあるような、ないような、という感じ。

独特の絵柄と話しで好みは分かれると思います。ひしひしと女性の切なさ、苦しさが伝わります。時代も国も違うけど、分かる所があるのがやるせない。

何度も読み返して咀嚼したいコミックでした。中国の歴史に詳しくないので有名な話を土台にしてあるのか完全に創作なのかよくわからないまま読みましたけどとても面白かったです。

漫画という枠組みだけではなく、一コマずつがまるで絵画のような謂わば芸術作品そのものでした。絵だけではなく、ストーリーも古来の歴史が知ることが出来て読みごたえがありました。

アートフィルムを観ているような感覚。説明が少なく中華の旧い習慣や言い伝えのようなものがベースにあるようで、理解が追いつかない。絵を楽しむ作品だと思う。