レビュー一覧

憂さを晴らそうとした藤田と恋が始まったと思った小野。作中でスーツのおっさん藤田に小野がかわいいを連呼するんですが、1話目の終わりで読者も藤田かわいーーって悶えちゃいます。誠実とは言い難い始まり方をする4カップルの話ですが(最終話はちょっと異色)、どれもいい方向に進みそうな余韻を残す終わり方で読後感いいです。

西田東さんの作品はいつも攻めと受けが男らしく、それでいて受けがイジらしくてカワイイ。ガッツリ男なのになんなんでしょう、あのかわいらしさは…。藤田も例外なく健気でイジらしくて堪りません。メロメロになる攻めの気持ちがわかります。いろんなBLが溢れていますが、この世界観は西田東さんだけ。ほどよい切なさもあって素晴らしい。ハズレなしです。　

今でこそ、BLジャンルにもオヤジがたくさん登場しますが、昔からリーマンのオヤジをちゃんと描いてくださっていた西田さん。ほとんど全部読んでます。本作には表題作、他のリーマンもの２つ、そして中世ものが入っています。表題作はリーマンとミュージシャンの恋でとっても可愛いです。次2作はリーマン同士で、ノンケだったはずのリーマンが上司とか部下に惹かれていく…というお話です。BLではよくある設定なのに、西田さんの場合はファンタジーというより、ちゃんと仕事を持っている二人の大人の男の恋愛が描かれていてリアルです。最後は中世のお話ですが、この時代設定も、西田さんの作品には時々出てきますがお好きなのかな。そして時に適当っぽかったり、投げやりっぽかったりするあとがきが西田さん漫画の楽しみの一つですが、今回は中世の羊飼いが登場して笑わせてくれます。

人妻と寝ちゃった後に旦那帰宅。よくある間男なんだけどその旦那が会社の上司。それもよくなる話なんだけど、実は上司はゲイで弱味を見つけたと思っていたら…もうね、どてちんとかの擬音にヤられた。可愛いの、この上司。上司妻が現れて沢村君との事を言っちゃってその時の上司の顔がもう切なくて。このお話が一番好きだなあ。

しみじみと…イイですねぇ…！！いくつかの短編が入っているのですが、どれも切なくて、でも時にくすっと笑える素敵な作品ばかりです。中でも私は表題作品が１番好き。窓拭き作業員兼フォークソングライターのノンケ(攻め)とサラリーマン(受け)のお話なんですが、攻めが男くさくて色気があるし、見た目と違ってとっても優しいのにグッときます。また、受けの苦悩も丁寧に描かれていて心に刺さります。やはり作者様の描くサラリーマンBLは最高ですっ！！

表紙の二人のお話がすごーく好きでした。ロン毛のお兄ちゃんが、好きになれるか微妙~な外見だと思っていたのですが、いやいや読んでみたら大好きになっちゃいましたよ。男くさくて魅力的です。はじまって早々、なぜか半裸で窓拭きをして惜しげもなくいい体を見せつけてきます。そして、いろんな意味で煮詰まってきているリーマンがそれを意味深な目で見つめ、果てには衝動的にロン毛のお兄さんを襲いかけちゃう(未遂ですが)のですが、そんな諸々の流れが笑えたりキュンとしたりと、絶妙な味を出しています。西田作品が大好きになってしまいました。

作者買い。もちろん全部面白いですが、この表題作！初めて読んだときはのたうち回りました。こんなにグイグイ心を鷲掴みにするのもそうそうないです。二人とも可愛いくて魅力的過ぎてもう…。真骨頂です。

泣いて笑える西田劇場！表紙にご注目ください。ギターを持った男が二人。一人はサラリーマンで、もう一人はチャラチャラしたロン毛のお兄ちゃんですね？「四畳半フォークの真髄だ……」「かれは昭和の魂を理解してますな」作中のモブのセリフ、、、、いったいどういうことでしょうか？！泣いていいやら笑っていいやらの満点読後感。西田東にハマる最初の一冊にぜひどうぞ〜！

最高です！西田ワールド堪能！大人の男の恋、笑えて泣けて、愛しくてたまりませんね。シリアスが苦手な方も気負わず楽しめる作品だと思います。大人こそ読むべし。

10年前の作品なのに西田さんの描く昭和臭漂うギャクと赤面するオヤジが可愛い。クセになる良さがある。キラキラ、ふわふわしたBLじゃ物足りない方には是非読んで頂きたい作家さんです。