レビュー一覧

いろいろとひどい時代にあって、一本とおっていたということがわかる。

戦後の取材で､帝国の敗戦の原因は？の問いに､昭和天皇が帝国陸海軍は非科学的だったと答えたと有るが､大局はこの一言に尽きていると個人的に思う､日本人特有で決して辞められない､気合い・根性・努力で全て解決・〇〇で有るべき・〇〇で無ければならない､等々(大笑)この台詞を使い間違った方へ導かれそれを国民も盲目に支持した､当時の世相は今も大して変わっていない(笑)

幕末以降の日本史の入門書の一冊としてなかなかいい作品だと思う。江戸時代の水戸学の影響で「大日本帝国は世界でただ一つの神国である」という考えに染まってしまった人々が政治軍事の中枢にいて、国の運営を誤ってしまった ということがよく分かる。水戸学の始祖である徳川光圀 水戸黄門さんも罪作りなことをしたもんだ。絵柄はかなり写実的でしっかりとしている。コミックとしては地の文が多いが、本書の性格上やむを得ないと思う。

終戦間近の２日間それでも米軍は爆弾を落としてくる。そして、昭和天皇が議会で降参しようというと、ほとんど船を失っている海軍は賛成したが、陸軍で反発が起き、天皇が録音した玉音放送のテープを処分しようと、陸軍が乗り込んできた。・とても、面白い。筆者の予想が、実際に言ってそうで最後の日はこんな感じだったのかなと思った。