レビュー一覧

まさにシンデレラストーリー。虐げられてきたヒロインがヒーローに拾われ、結婚することで幸せになる。でも、物語としては微妙。特に何も起こらない。ヒーローが悪魔のような男ということで、ヒーロー自身もそう断言するんだけど特に何もしない。酷いこともしないし、言わない。特に何もないまま、ヒーローがヒロインに対してどんな感情を抱いているのかも口にしないまま、あっさり終わる。え？？？？

基本的に歳の差物は苦手ですが（ヒーローがロリコンだと思えてしまうので）、作品全体に漂う不思議な世界観に魅了されました。作者であるヴァイオレット・ウィンズピアのプロフィールから、年代的に少し古い作品だとわかりました。ヒロインのトニが修道院にいたことや、ヒーローのルークが美貌の貴族で船に乗り海を渡る……とくると余りに古風で、ヒストリカルを読んでいる錯覚に陥ってしまいました。そして激しいラブシーンは一切ないのに、トニとルークの間に流れる空気の艶っぽいこと!　途中二人が禁断の匂いがするような妖しげな関係になっていき（まさかのボーイズラブ？！）、思わずドキドキしました〜(優しく口調で紳士なルークが悪魔と呼ばれる由縁がわかるような気がしました)。