レビュー一覧

表紙の色に惹かれて購入しました。一つ一つのお話が懐かしくもあり、寂しさもあり、いろいろと思い出さされてしまうものでした。

冬虫カイコという名前が気になって手にとってみました。独特、絶妙、そういう言葉では足らなくて申し訳ないほど、うなりまくる作品ばかりでした。あるあるなんだけど表現しにくい、言語化しにくい、そういうあたりがすぱっと描かれています。

生きていればなんとなくぶち当たる、言葉にしにくい感覚が蘇る作品ですね。懐かしさとともに黒歴史というか、心の不発弾というか地雷をうっかり踏んでしまいましたが、それだけ表現が上手いと感じました。

日常の中の生きにくさが描かれている作品です。田舎の閉塞感や、美しい友人への嫉妬、さりげない一言での傷など、形はさまざまですが既視感のある感情が多かったです。終わり方はどれも淡々としていて、そこが日常ってそんなにドラマチックじゃないもんなとリアルに感じました。でも好き嫌いはあると思うのでレンタルがあるのはよいと思います。国語教師と生徒のお話がセリフもキレイで好きでした。丁度転職を検討しているので、嫌いじゃないし、という基準でものを考えるのはやめようと思いました。良いタイミングで出会えてよかった作品です。

この漫画家さんを読んだことのある人なら、『あー。なるほどー。確かにこの漫画家さんの世界観だわー。』という内容ばかりでした。

人間の気持ちや仄暗さを淡々と描き出す漫画でした。読んでいてどこか既視感を感じる雰囲気に飲まれてどんどん引き込まれました。

この作者は初めて読んだ。他の作品も読んでみたくなった。面白いと思う。

この作者の作品の中ではこの短編集が一番良かった。コロナの時期を経て、作者も人間の嫌なところにばかりではなく、もっと深い側面や新しい展開に目を向けられるようになったのかもしれない。

こういう気持ちになったことあるなあと共感できる作品でした

とにかく、まずは、読んでみて下さい。と、いいたい。