レビュー一覧

アルファのふりをしているオメガという設定に惹かれたのですが、登場人物に一貫性がないような感じがして、うーんとなりました。オメガなのをバレたくないと思ってる割に、かなり早い段階からアルファと一緒にお風呂に入ってたり、体を触らせてたりして、迂闊だなーと。あと言葉の汚さが行き過ぎてたような…オメガを貶める言葉やヒートの時の主人公のセリフなど、個人的に苦手でした。抑制剤も発達していて成熟期っぽい設定なのに、どの作品よりもオメガがひどく罵られてて悲しくなりました。ただ、手術を受けた偽物アルファという設定は面白いと思いました。今までオメガで自分の性を否定したがるキャラクターはいましたが、アルファでそういう傾向にあるのは新鮮でした。

自分を偽り、親のために生きる子ども。期待に応えるために、感情さえも殺して。一気読みしました。好き嫌いはあると思いますが、私は好きです。少しずつ感情が溢れてくる描写や、頑なに自分を守ってくれるものを探す表現もキュンとしました。初恋でしたね。エロの表現は挿絵に助けられましたね。想像力の介助という意味では大きい。続編あるのかなぁ。読みたいでっす！

受けは生きる為と言うか母親からの一種の虐待に拠るバース否定で、アルファ騙って悪さした理由では無いので心が傷付いている主人公が不憫でした。その母親との確執も結構あっさり語られてるので後のハピエンも余り響かなかったです。攻めの溺愛ぶりだけに萌れたかな

最近オメガものが多く出ているので、読む機会も多いのですが設定が似通ってしまうのは仕方ないかなと思っていました。この作品は少し違っていたのでそこは好感が持てます。イラストの奈良千春さんのファンなので、イラスト分も含めての星にさせていただきました。