レビュー一覧

あー痛々しい…途中から涙と鼻水止まらなかった。現実的なわたしは二人がこのまま単純に幸せになれるとは思えなくて、最後までスッキリしなかった。でも重くて深くてピュアなのが読みたいときは良いかも。

「私小説」でこれでもかと魅力を見せつけた佐原と、佐原に恋焦がれるキオの、痛々しい過去とその後のお話。ちなみにキオが攻めです。もうとにかく純粋すぎるキオが佐原を想うモノローグが……ただでさえモノローグが刺さる作者様ですが、これはもう抉られてどうしようもないです。キオには多分やや知的障害があるのですが、作者様の力量なのでしょう、いかにもそれといったいやらしさは全くなく、ひたすら純粋。佐原の心と身体を求める気持ちもストレートで胸が詰まります。ただ彼らの背景と過去はちょっと痛々しくて、他の作家さんが描いたら病みカテになっちゃうんじゃないかな。でもこの方が描かれると穏やかなファンタジーに感じてしまうから不思議です。穏やかな日々を手に入れた彼らの行く末はわかりませんが、私はキオがこれからも佐原の支えになっていくのだと思います。

切ないお話ですがハピエンです。ファンタジーのようで、でも現実にもありそうなお話。切ないけど希望もあって、素敵なお話です。ほぼ表題作ですが、最後に「THE WIND」という短編があり、それがとても素敵。

攻めの子が知能に障害、もしくは今で言う学習障害というのか、とにかくお勉強できない。心はとっても綺麗で常に一生懸命なのだけれど、社会的な成功とは程遠いところにいる。でも努力を欠かさず、受けを何とか幸せにしたくで頑張っている。その姿が健気すぎて辛い。お話自体はお伽話レベルに綺麗なのだけれど、横たわる現実が重くて、BLというよりJUNE系要素が強いかも。

この作家さんのお話はいつも胸にくるものがありますが、今回は泣きっぱなしで一体どうしたらよいのやら。。。。主人公の設定もちょっと卑怯な感じで涙が止まりませんでした。