レビュー一覧

美しくしっかりとした言葉で紡がれたこのお話は、セクシャルな場面が時々に織り込まれているにも関わらず、静謐で透明な読後感を与えてくれます。表紙の絵柄も、その世界を的確に表現していると思います。この時点でレビューが２つだけですが、それほどに読まれていないということであれば、かなり惜しい。「花嫁執事」といういかにも萌えワードを連ねた題名で損をしているのではないかと愚考します。

タイトルはアレですが、中身はシリアス。名家に執事の主人公で美しい言葉遣いのせいか読んでいてついつい現代ものであることを忘れてしまいそうです。ストーリーは主人公で優秀な執事である受けが、半ば騙されるような形でかつて家族のようにして育った幼馴染の攻めに雇われるというもの。自分の力のみで権力と財力を身に付けのし上がってきた美丈夫攻めに、優しく上品な美人受け…いや〜王道です！文章も美しければHシーンも良い！…ただ、あまりに直球勝負というか捻りが無いのです。自身がひねくれた腐女なので、冒頭の出逢いの頃から「おお、これは溺愛攻めで幼少の頃からの想いを拗らせて受けを自分のものにしようとしてるな」読み進めながら「婚約者（受けが女装）が男、しかも幼いころ自分の家に住んでた少年だって当主には絶対バレてるよ」「この攻めVS当主の拗らせた愛憎は、隠し子なんじゃ？」…全部そのまんまや〜！読者が予想することを全て辿っていってハッピーエンド。アレレ？っていうほど意外な展開が無かったのが意外でした。作者が岩本さんという事もあって「どこかでどんでん返しが？」「そのうち何か隠された秘密が？」と期待のハードルを高くしすぎたのかもしれません。王道ゆえに安心して読めるし、深く考えずに楽しむには良い作品だと思います。

感動しました。執事という設定のためか受けの言葉遣いが美しく好印象。最後の最後に攻めへの父親からの手紙は感動しました。

全体を通して日本語がおかしい。ストーリーとしては練られていて面白いもののはずなのに、二重敬語が多すぎます。「とんでもございません」や「ネグレクト」などの単語の意味や使い方も間違いすぎです。内容以前に日本語としての間違いが多すぎて文章が頭に入ってきませんでした。編集が修正をしていないのか知識がないのか知りませんが単語を書く前に意味が間違っていないか調べたり下調べくらいして欲しかったです。

高評価が多いですが。プライドの高い英国の執事、それも1番の大学を出て1番の養成学校で学んだ執事が、簡単に身体から流されるというその基本部分に引っかかります。楽しめればいいのよー。という作家ではないだけに、点が辛くなりました。

とても面白く、あっという間に読み終えました。他の方も書かれているように、本場の執事の所作や言葉遣いが美しく、執事など知らないながらも容易にその姿等思い描くことができました。長い間想い続けていた相手と、これからも幸せに、家を守っていってほしいです。

この作者の執着攻めは大好きで、この本も不器用な執着攻めです。受けが執事でその後、花嫁扱いとなるのですが、どちらかに絞った方が良かったような気がしてなりません。けして悪くはないんです、ただ焦点が定まりきれない感じで。

とても素敵な作品でした。全体的に綺麗な文書で、本格の英国執事の美しい所作も感じられます。父の想いを胸に二人で幸せに家を守って欲しいです。

すごく見やすいし感情も分かりやすいです。色々な確執を経て心が動くさまが深く入り込みやすかったです。ただ、真実があかされてお終い！と、いきなり！終えてしまうので、もうちょっとだけでもエピローグとか、余韻的なものが欲しい。えっ？終わった？と驚いたので。

穏やかな気持ちになりました。父親は 何でもお見通しなのですね。両親の分まで 二人でお幸せに。