レビュー一覧

圧巻です！　くぼた尚子さんすごい。。。。陳腐な表現ですが、涙がとまりませんでした。号泣ではなく、ポロポロこぼれる感じです。せつない涙も、ハッピーな涙も。うんちくを語れるほどの人間ではありませんが、画力、構成力、ほんとうに圧倒的です。素晴らしかった。派手な作品ではないので、あまり絶賛しすぎて「え、そんなに？」と思われてしまう流れになると申し訳ないな、なんて思うのですが、私は、すごくすごく胸にしみました。読んでよかったなー。

すごく内容が濃い。読み終わって疲れましたｗ。主人公のダニーは厩務員の娘で、自分も厩務員ですが、母はデヴリス家という名家の出身。ダニーは18歳の誕生日に母の旧姓を名乗りパーティにもぐりこみ名門ハミルトン家の次男リードと恋に落ち一夜を共にしますが朝になり逃げだします。その夜リードの兄トレイが厩舎で死んだり、その夜授かった息子をダニーの父親がハミルトン家に渡してしまったりで、ダニーもリードもかなり暗いものを背負ってます。そんな中で前向きに明るいリードの母と二人の息子トレイJｒ.がとてもかわいくて良かったです。一応謎解きのような展開もありで、内容がすごく濃くなってます。ちゃんとハッピーエンドなんだけど、くぼた尚子さんのいつもの、ちょっとした笑いのシーンやシニカルなユーモアがまったくなかったので-☆に。

単なる恋愛ストーリーでなく、若干のシリアスさも含んで、でも最後は大団円。そこにいたるまで物語は静かに静かに進んでいきます。読後、静かに涙がながれる感動までに最初から淡々と話をつなげられる久保田先生の画力がすごい。起きたことの裏にはすべて愛があり、愛ゆえに起きたことだという主人公の母の言葉がすべてを物語っている。大人の恋愛に花を添える男の子の笑顔が素敵でした。

本当に地味でたんたんとした物語なのに、読み終えたあとで不思議と涙のあふれる作品でした。

説明不足でもなく詰め込み感もない。素晴らしいです。静的な絵柄が余韻というか行間の思いを見事に表しています。星マイナスは厳しいかな。主役カップルの笑顔がもっと欲しかったので。

読み応えのある話だった。ヒーローとヒロインの関係に子供のこと、ヒロインの父やヒーローの兄のことなど盛りだくさんで、どれもが重いエピソードです。くぼた先生の作品っていつも心にのしかかってくるような重みや深みかあるけれど、これはお話の内容的にも特にそれを感じた。何度も読み返したくなる類ではないけれど、良作だと思います。

何も悪くないのに皆苦労してる、すごい切ないお話です。悪い人もいないけど、みんな、誰かのために嘘をつくか沈黙して、だから何も始まらないし終わってもない。ハッピーエンドになっていくんですが、切な重ーーーい気分で終わりました。

以前から10代の女の子が愛してる男性の子どもだからシングルマザーになるという設定には無理があると思っていたので、この展開にはリアリティーがあってグッときました！物語としては読みごたえがあったけど、恋愛ワールドに浸りたいのならちょっと物足りないかも。ヒーローもおとなしめ。賛否が分かれるところかも。

ﾊｰﾚｸｲﾝのｼｰｸﾚｯﾄﾍﾞｲﾋﾞｰ内容にありがちな実はお互いに今も好きなのに素直になれず最終的にはﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞというﾜﾝﾊﾟﾀｰﾝではなく、女性では珍しい厩務員としての職業に誇りや責任を持っているﾋﾛｲﾝに惹かれていくのが納得です。ｻｽﾍﾟﾝｽ的な要素もあり暗くなりそうなｽﾄｰﾘを子供や男性の母親の会話などが微笑ましいのと展開も早いので飽きがありませんでした。確かに表情が乏しい絵柄かもしれませんが作風に合っているので良いかなと思います。

全て愛のため、という言葉が本当に胸に滲みるお話です。不幸が重なり、孤独を噛みしめ、喪失感の中で生きていた2人が、再び出会い、奇跡を起こすお話。くぼた尚子さんの描く世界は、深く心に響きます。厩舎で、ダニーが、喪失の苦しみは、失ったその時より、後から訪れる何気ない静かな時間に襲ってくる、と語りますが、実感です。そして、お母さんがとてもステキ、いい味を出しています。全体に暗く重い雰囲気で話は進みますが、読後、切なくて涙が止まりません。