レビュー一覧

世間では誘拐犯と犠牲者という非日常的設定の更紗と文。 でも、世間に理解されなくても、お互いに理解し合えて、お互いが必要で、最終的に一緒になれて「良かったねー」って思える作品です。お互いに、自分の事を恨んでいるのではないかと思いながら、実は恨んでいるどころか、会いたくて、お互いにお互いが居心地のいい存在だったって分かって、自分の場所はここだ!って、伝えあえる事が出来て感動です。自分の精神的居場所って、非常に大切だから、居場所が見付かった2人に「良かったねー」って言ってあげたいです。「美しい彼」が大好きで、凪良ゆう先生作という事で読んでみました。どちらも、かけがえのない2人が一緒になれて、「いつまでも、お幸せに!」って思える感動作です。

作家買いです。テーマが重くてハッピーエンドではないけど希望は残るような終わり方がすきです。

家内更紗と佐伯文、離れられない人間的なつながり、どちらも欠けてはダメ。一気に物語を完走しました。過去は未来永劫に続く、消せない、哀しい。

文章が綺麗です。純粋に互いを必要としている、主人公2人が共に生きていける様になって良かったです。

作家さん買いです。とても重いテーマでした。更紗はあまり好きにはなれないけど文にとっては心身を開放できる唯一の人だったんですね。最後このまま静かに時が満ちると願います。

読みやすかったけどとても面白いという程ではなかったです。文からは性的なことは一切されてないのに世間からは「被害なんだから色んなことをされたんだろ」という悪意や哀れみの目で見られることを辛く思っている描写、「文はそんなんじゃない」と憤る描写が多々あるのですが、それなら文ではなく従兄弟に悪戯されていたこと、文はそこから救ってくれたことを週刊誌なりに打ち明けたらいいのにと思いました。せめてネットに書き込みして反論するとか。もう9歳の少女じゃないんだし。亮が勝手に落ちたのに濡れ衣着せられて警察に問われた時も「頷くことしか出来なかった」ようで、それも「なんで？」とモヤッとしました。引っかかるとこは多々あるのですが、理解出来る心理描写も多くあり、最後はうまく収まって良かったです。

個人的には、主人公の更紗があまり好きではない。映画化されたけど、原作読むと配役はばっちりな気がする。ストーリーに、いまいちリアリティがない気もするけど、最後の終わり方は好きです。

凪良先生は何冊か読んでいてその中で「ニアリーイコール」が大好きで忘れられない作品なんですが、この流浪の月は大人になった更紗が周りの人達がなんと言おうとダメ元でもいいから文くんは無実だった、自分は何もされていないのだと叫び続けて欲しかった。最後の方、ポロっと従兄弟に悪戯されていたのだと告白する場面もあったけれど、269ページに「文は罪を償いました」と更紗が警察官に言うところが引っかかって不快。