レビュー一覧

諜報員の教官と新人の立場で出会ったザックとジェイミー。ジェイミーが捕らわれたザックを助けに行くところから始まるのですが、ヒロインがヒーローを救出という珍しさとその非現実的な状況に手に汗握る切迫感で物語りに引き込まれていきます。人との関わりすらない闇の世界に生きるザック。”普通”の世界へ踏み出そうとするジェイミー。お互いの揺れ動く気持ち、葛藤、苦悩に切なくなり心が痛みますが、ジェイミーの直向さ強さに心揺さぶられました。最後のザックの告白は思わず涙がこみ上げるほど心に迫るものがありました。同じ世界に生きて同じ苦痛を味わってきたからこそ、彼らならではの関係、ノーマルを手に入れられたんでしょうね。派手さはないけどしっとりとして、読後も幸せな余韻が続く作品だと思います。

とても素敵な話しでした。ラストは何度も読み返して幸せな気持ちに浸ってます。ヒーローもヒロインも魅力的で読み進むうちにどんどん引き込まれてしまいました。

テンポの良いドタバタコメディーばっかりじゃなくって、こういう話も描くんですよ、ベストセラー作家のスーザン・マレリー。ギャグマンガの作家さんが描くシリアスものや、シリアス路線の漫画家さんが描くギャグのように、作家さんの幅と人間性が伺える作品です．岩崎陽子さんや、Jetさん、Viceのころの黒田かすみサンの絵柄でイメージしてました．

愛だけでは支えきれないのかな。きっと7年前ではヒロインがヒーローを癒やせなかったし、待てなかったかも。助けられない、というのもあるけど（笑）同じ痛みと苦悩を抱えたもの同士だから、わかり合えるところは確かにあると。そこに愛があれば完璧だ、という話かな。ま、とにかくヒロインがスゴくカッコ良かったです！ヒーローもヒロインの痛みをケアしてあげるところが、そりゃ惚れますがな、と思うけど、肝心なところで逃げちゃうんですよねー。ヒロイン頑張った！！

ハードな設定ですが、よかったです。特殊な世界で生きてきた二人だからこそ分かり合えるんですね。漫画の方もおすすめです。