レビュー一覧

本当にどこまでもかわいそうなヒロイン。最初の出会いからお互い惹かれていたのに、義父のせいで…。ヒーローは根本的には優しい人柄なので、ヒロインの本質に知らず知らず惹かれて最後は本当に良かったと思えました。

愛人になるお話は女性を軽視していて好きではありませんがコミックが人気だったので原作を読んでみました。ヒーローがヒロインよりずっと経験豊富で仕事もできる男なのに、ヒロインの本当の姿を見抜けなかったというのがあまりしっくりきませんでした。うぶなヒロインを見れば大人の男ならわかるでしょうにと思って。義父と同類だと思われて徹底的に復讐しようとするのも男らしくないなと。ただ愛人といってもヒロインには優しくするし元々は惹かれあっていた二人です。最後の最後で全ての誤解が解けてハッピーエンドになりました。王道のお話でした。

切なくて、二度、三度読んでも満足できるお話でした。　ヒロインと母親はとんでもなく卑劣で下劣で残酷なクズ男に何年も、さらにその死後も苦しめられました。もっと早く死んで欲しかったです。　そのクズ男と敵対して叩き潰した彼は、なりゆきでヒロインのこともクズ男の一味だと思い込んで蔑んでいます。　彼に恋したヒロインにはそれだけでもつらいのに、全財産が彼の手に渡り、母と暮らす家さえ失ってしまいました。　個人資産くらいは持っていると思っていたのかヒロイン親子を路頭に迷わせたかったのか、下手をすると母親の方を失意で死なせてしまったかもしれない無慈悲さです。いくら酷い下種男の身内と言ってもヒロイン母の人柄も何も知らないうちにこの仕打ちはあんまりだと思います。　そして家だけは返して欲しいと言うヒロインに、期間限定の愛人になれというわけです。これって結局ヒロインへの未練を断ち切れてなくて、相手の弱みに付け込んで断れなくしていいようにしようという、敵の下種男ほどではないにしてもヒロインの純情を踏み躙り人権を無視した卑劣なやり方に思えます。　そういう良くない契約での始まりでしたが、心の底ではお互いを好ましく思っていたため意外に仲良くやっていけたのは不幸中の幸いでしょうか。　ヒロインに新車を贈った際に、ヒロインの、それも「借り物」だと言っていたオンボロ車を勝手に処分してしまったのは法律的に他人の持ち物を勝手に売ったり廃車にできるものなんでしょうか？他人の物を勝手に捨ててしまうのは金持ちの傲慢で嫌な感じです。　　・・・ヒロインを知るほどに自分の抱いていた先入観に違和感を覚えた彼は、ヒロインが去った時に買い与えたものをすべて置いて行ったことで強い衝撃を受け（胸がすっとしました！）、さらに偶然耳にした情報で、自分が大変な間違いをしたことに気が付きます。真実に至る部分がわずかな情報しか書いていませんが、ページ数の都合で、その後色々調べたのを省略したのかな？　　ヒロインを探し出して許しを請う場面、スクラップ寸前で救い出したヒロインのオンボロ車の後ろに空き缶をたくさん結んであって、まるで映画のようでお気に入りのワンシーンです。　ヒロイン母は娘に守られるばかりで頼りないですが、何年もＤＶにさらされ心身ともに疲れ果てていたなら仕方なかったのかも。　強くて健気なヒロインが素敵でした。

ヒーローが真実に気づきヒロインの元に迎えに行くまでが、もどかしくてハラハラさせらる

凄く感動しました。漫画も読んで見ましたが、原作の方が事細かくてドキドキが続いて良いですね。ヒロインの健気さに脱帽です。

コミックを読んで、こちらも読んでみました。コミックの方は、ページ数の関係からか、結構漫画家さんのオリジナルに直されているのがわかりましたが、あれはあれでよし、こちらはなお良し、と思いました。一つだけ引っかかった点はヒロインのお母さん。あまりにも弱すぎるし、娘に甘えすぎではないでしょうか・・・。苦しかったのはわかるし、暴力への恐怖で訳が分からなくなっていたのはわかりますが、「自分の恥」を守ろうとばかりして、娘に頼って自分は何もしない。そのために娘はとんでもない取引をさせられる。結局、ヒーローの真剣な問いにもヒロインは言葉を濁したまま。ここまで心を開いて許しを乞う彼に、本当のことを言って欲しかった。そこだけがすっきりしないと思ったので、星一つマイナスにしました。