レビュー一覧

『ワンダーフォーゲル』続編。前作未読だとわからないところが多そう。ゆうとの過去に関する謎解きをメインに、イブと稜の進展も見られ大満足。まー前作からの登場人物たちの掛け合いが生き生きしていて面白いこと！イブとマリさんとの舌戦なんて最高じゃないですか。ゆうとに対してだけは過保護な稜と、それにぶつくさ言うイブさんとか一生見ていたい。そして終始心が読めることで生まれる余裕があったイブさんの最終話…、もうね可愛くて仕方ないです。こんな楽しい話になるとは。電子限定描き下ろしも豪華でした。

☆4.5『ワンダーフォーゲル』の続編が読めるとは! 本作は｢少年誘拐事件｣の解決編でもあるので前作は必読です。ただ読み込みすぎたのか、｢残された謎｣が謎ではなくなってたので、解決編としての醍醐味を堪能できなかったのが残念。話の密度も前作の緻密さには及ばないかな。でもやっぱり巧みなストーリーテリングは流石の一言です。何を“真実”とするのか…言葉の確かさがもたらす幸せと、不確かさを信じて得られる幸せと。継続性のある世界観に、鈍感で繊細で脆くて強い｢人間｣の姿を見ました。稜の告白よかたぁ。大人な恋愛観が流れてる作品は沁みる。個人的には、あのミッションがちゃんと進行してて嬉笑。

ワンダーフォーゲルの続編！読み応えがありました。ワンダーフォーゲルの謎解きが出来、ホロリとさせてくれたり、クスッと笑わせてくれたりと‥大満足です。イブと稜もイチャ甘い関係に進展し、稜がスーツの似合う大人の男へ鍛錬された姿もカッコ良く、極めつけはホテルのロビーでのキスシーンに萌えました！草間先生の作中の空気感はセンスがあり素敵だなと噛み締めてます。

ワンダーフォーゲルのいろいろ未消化だったところがたっぷりと楽しめるお話でした。しろうくんxゆうちゃんカップルより、りょうくんxイブ先生メインで。一押しシーンはやっぱりホテルでのキスシーンです！

なんだか唐突に始まって、え、この人たち誰だっけ？と思ったら、”ワンダーフォーゲル”からの続編だったんですね。また、初めから読んでしまいました。凄く妙な、普段にない人物設定で、でも生き生きしたキャラたちの妙におかしいストーリー。さすがベテラン、草間さんならではの2冊目でした。ただのBLじゃないんですよね。1冊目のえらく謎がかった過去の破片が、2冊目にきての解決のクダリなど、話の展開がただもう…いや、一言ではまとめられない！私的には満足の新刊でした。

一番好きな作家様。書籍でも購入したのに電子限定番外編に釣られて買ってしまいました。稜のイブさんへの愛にぐっときました。

前作の「ワンダーフォーゲル」と合わせて繰り返し読むうちに、人の記憶の確かさと曖昧さ、信じたいことと真実との乖離などに思いが及びました。この続編の前半では、イブ先生の助けを得て、ゆうとを苦しめて謎が解消。欠けていた父親像とその父の死因について、ゆうとが納得できる答えが示されます。父親も祖父も亡くなった今、それが本当の答えなのかどうかを知るすべはないけれど、再構築された記憶がゆうとの心の曇りを晴らしたのは確か。不安要素を隠すことでゆうとを守ってきた稜に代わって、不安に立ち向かうゆうとを支え、救おうとするしろう。ゆうとにとって、稜は実の兄のようであり、しろうはずっとヒーローだったというイブ先生の指摘が鋭い。後半は、前編と同じく、イブ先生と稜がメインのお話。身を挺して自分を守った稜を前に、突然、その心が読めなくなって慌てるイブ先生と、「恋人」であるという絶対的な現実こそ一番と言う稜との組み合わせは完璧に近いのでは。2冊合わせて是非。

他のレビューでも書かれてますが、「ワンダーフォーゲル」を読んでないとわからないと思います。前作は前作でまとまっていたんですが、更になぞを掘り下げてしっかり回収してくださいました。納得感が倍増です。作者さんのストーリーテリングぶりが発揮されていて、面白いです

前作の種明かし編という感じなので、未読の方はそちらを先に読むことをオススメ。前作であっさり終わらしてたところがちゃんと説明されてて満足。稜が報われてよかったー。個人的にサイン会の時に周りがRって認識するシーンが大好き。うふふ。

続きモノですが、破綻なくクオリティも落とさず、流石です。気力が必要ですが、素敵なラストまで読み切れてよかったです。