レビュー一覧

帯にあるとおり、当主弟×死んだはずの兄。兄弟ものとしてはとても良かったです。欲のない弟が初めての願いを口にしたあたり、ふたりの想いが吐露されるあたりは、兄弟BL好きにはグッとくるものがあります。しかし、それだけじゃないんですよね。いくつかネタバレなしで読んだほうがいい部分はあり、そこが個人的には、ん～もう少し。レーベル的に特殊設定ありきなので仕方ないのでしょうけども、どうもその特殊設定が邪魔をしている…というかそれがないほうがうまく展開するんじゃないかと。さらにネタばらしもちょっと雑だったような。好みの問題ですね。ストーリー重視だと物足りない部分もあるかもしれあいですけど、兄弟ものとしては萌えがあるので私は読み返すと思います。

☆4.5 中華風の目を惹く表紙に、折り返しにいる可愛い唐子のふたり。弟はいつしか兄の背を越して、死んだはずの兄を花嫁にする。しかも兄本人は、自分を花嫁だと思い込んでいて…。その奇怪を読んでいくお話なので、ネタバレなしでこそ堪能できる作品かと思います。泥中に根を張り開花する蓮は、背徳の愛であり地獄に息づく極楽。チャイニーズレッドの血の池に咲く花の行方は如何に…。序盤から漂う異母兄弟というだけではない背徳感に、最後までその雰囲気を壊さない作画の妙。赤の魅惑がすごい。そんな中、唐子時代がふと蘇る瞬間は空気がふわっと変わり、弟の本心をきゅっと感じさせます。核心のアレ…懐かしや。

面白かったです！腹違いの兄弟で弟×兄というだけでも大好物なのに、それだけではなかった…驚かされること間違いなしです。絶対に2回読みたくなります。

ゾクゾク。こんな展開になるとは！！さすが作者様です。愛おしく切なくおぞましく。人の欲深さをこんなにも美しく描き上げるなんて！

表紙デザインでなんとなく避けてた作品。ストーリーテラーですね。この作家さん。なるほど，久しぶりに聞いた，だから中華系か。流行ったよねーずいぶん昔に。もっと執着が強いドロ系のかと思いきや，どちらも純情。常識は持ち合わせて異常愛ではない。最後もいいね，優しい終わり方。BLにでてくる一本筋の通った女性が好きだが，これに出てくる女性は別の意味でイイ。蓮の花を施した丸い窓を使った描写がきれいでジンときた。というか，表紙のデザイン，それやん！気づけよ，わたし！

これはネタバレなしで読んだほうがいいですね。表紙がオシャレで怪しくて素敵でとても好きです。中身も驚きと美しさで楽しめました。近親BLは相思相愛なのにお互い片想いだと思っているのが醍醐味ですよね。背徳感は素晴らしきスパイス。そしてそこにもう一つ罪を重ねるのがまた。どんな方におすすめすべきか、ネタバレになってしまうのであまり言えなくて難しいです。ダメな人はダメそう。。ハッピーエンドではあるので、えいやっと読んでみるのも良いのではないでしょうか。もしかしたら新しい扉が開かれるかもしれません。

お話として、すごく面白かったです。一応、ハッピーエンドと言えるのかな。結ばれるシーンは見せてもらえなかったのはちょっと残念ですが、どこまでも互いを大切に思い、互いを唯一の存在として愛し合う二人のお話で、血のつながりのある兄弟ですが、そこが嫌悪の因とは全くなりませんでした。むしろ、萌え。実の兄弟BLが苦手な方にも読んでいただける作品ではないかと思います。ただ、中国にそういう秘術がなければ、今回のラストもないわけで、権力争いや自分の希望を叶えるためにほかのだれかを陥れようとする人間の恐ろしさは、化け物以上だと思いました。それに抗って結ばれた二人を祝福したいです。

初めての作者さんでした。濡れ場がないのは残念さでしたが心の繋がりを見ることができました。

後継者争いをする腹違いの兄弟モノです。前作の「荒野の果てで～」でもラスト付近でズドンッとやられるセリフがありましたが、今作のセリフも印象的なものがありました。前作みたいに重たいズドンではありませんでしたが、しんみりきちゃうセリフでしたね。でもこのセリフ、心臓の扱い方で解釈の深さが変わってくると思うんです。もっとハッキリした描写や言葉があればすんなり入って来たセリフだったと思います。そう考えると、説明不足と感じるシーンもチラホラあったな、と思います。読解力不足かも。

あまりに切ない物語なのに当の本人たちは幸せ、という至極の作品を描かせたらこの方の右に出る方はいませんね。この作品含め、すべての作品が大好きです。