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いつくしむ、さを鹿の声【単行本版】
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mimiさん
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2021-08-27タイトルに惹かれ、まとまり待ちしてた一冊。作中に万葉集が出てくるように、｢さを鹿｣とは恋の季節に相手を求めて鳴く牡鹿のこと。和歌に詠まれるような、切なかったり激しかったりする恋情を期待しましたが、そういう｢さを鹿の声｣は聞こえてこなくて…。友情のわだかまりを解かしながら恋愛に移行する必要があるとは言え、描き下ろしで単に声枯れ扱いされてたのがすーごく残念。面越しの視線や｢居付く｣などの剣道モチーフも、それぞれにはハッとする部分があるのに、全体だと情緒的に物足りなくて今ひとつ入り込めませんでした。心情を語りすぎかな…文武両道とはいかず。
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印象的なタイトルに惹かれ、1冊にまとまるのを楽しみにしていました。両片思い、行き違い、誤解のちの再会から始まる物語。いいですねー、好みすぎる設定。2人の気持ちは丁寧に描写されていて雰囲気もとってもいい。ただ、もったいないのがモチーフの数が多くて（言葉、言霊、面越しの視線）、どれが肝心の「さを鹿の声」につながるのかが分かりにくく、とっ散らかっているように思えてしまいました。陽介の視線や言葉全てが声にならない冬月への「さを鹿の声」なんだろうなあと思いつつ読んだのだけれど、あくまで個人の解釈だし、「さを鹿の声」については書き下ろしに超さらっと出てくるだけなので、分冊で読まれた方には何のことか分からないかもなあと。むしろ触れない方が趣きがある？でも一般的に知られた言葉でもないし、うーん難しいところ…ストーリーや絵柄はとても好きで、デビュー作のエレベーターのお話はレンタルだけでアップグレードしなかったのですが、エロ重視な感じのお話よりも今回の方が私は好きです！書き下ろしは2人の初めてのお話、服も着てるし初心者マークな感じなのが逆に色っぽくよかった。シリアスもエロも描ける先生だと思うので、次作も楽しみにしております。