レビュー一覧

なかなか不気味な作品です。 ただ、るながクラスメートや後輩の女の子たちにするアドバイスは、一昔前にネットで話題になっていた恋愛メソッドそっくりです。 るなもケンショーも、意図的に他人をコントロールするしか手段を持たない人間で、そういう意味ではとても似ています。 狸と狐の馬鹿し合い。 スバルだけは違うタイプの人間で、危ういところに居るのに不思議と取り返しのつかない感じでは取り込まれない。 そういうタイプを登場させているのが面白いです。

恐ろしい。けど読んでしまう。好意的な感情は一切湧かないのに目を背けられない。こんな状態になってしまった時点で私の負け。るなの思う壺なのだろう。いやー宗教は恐ろしい。

独創性がすごく読んでいて惹き込まれるストーリーでした。

以前に黒真珠育ちを読んでいて、独特な絵の魅力がある人だなあと思いました。最初はパッと見高野文子さんぽい絵柄に惹かれて購入したのですが感性は当然違いました。ストーリーは黒真珠よりこちらの方が興味があります。

この絶妙な気持ち悪さ、めちゃくちゃクセになる…。意思強先生のセンスは唯一無二です。

人間関係の切り離し、それから紹介制、値段を釣り上げるテクニックなど。ネットワークビジネスや新興宗教の手口と似たようなものが満載で、「るな」を発端として同時多発的に増殖していく感じが何とも言えない不気味さです。第三者から見たら倒錯のようなことであっても、法外な額の金銭の対価として彼らが何かを得ているという、人の心理の歪さも描かれています。ただ、あそこまでコケにされた一軍のケンショー君との関係が、「るな」の退学だけで一旦収束するのは、話の展開として雑だなと思いましたが(笑)。とはいえ、圧倒的陰キャや社会弱者の成り上がり要素もあるので、社会の闇を見る恐ろしさ以上に、登場人物への共感要素もあるのではないでしょうか。

絵やストーリー展開は独特ですが、なぜか惹きこまれる作品です。宗教のお話だけではなく、恋とお金（ビジネス）など様々なテーマが集約されています。大人になった後も描かれているので、最終的にどうなるのか、続きがとっても気になります。

面白いです。どんどん引き込まれていきます。程よい気持ち悪さもいいです。

面白い。ちょっと怖い。ゾクゾクします。続刊が凄く楽しみ。他の作品もチェックしたくなりました。

宗教の話なんですが、奥の話までしてくれているというか、宗教や詐欺が、自分の人生に身近にあるものだと分からせてくれます。人間というものがよくわかる話でした。