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優しい雰囲気が好きです。でも、原爆の続いていく苦しみ、誰も責めず静かに伝えていくことの意味、考えさせられました。

100ページで600円はちょっと高いかな？と思ってレンタルにしてみたんですが、読み終わった後迷わず購入しました。（この作品の感想に下世話な内容からで申し訳ないです；一応参考に）読み終わってすぐなのでまだ飲み込み切れず、言葉にすることが出来ませんが、この作品を読んで良かったと思いました。子供の頃は反戦教育で色々な原爆に関する作品や記録を目にしましたが、同時にトラウマにもなっていて大人になってからは避けていたように思います。優しくて人間が主体のこの作品は、もう一度戦争と平和について考えるきっかけになりました。

家族を奪われ、未来を奪われ、自尊心を奪われ、苦しみながら死んでいく主人公。生き残った者さえ苦しめるデマ。誰の為にもならなかった理不尽な兵器の使用から始まる、途轍もない痛みを伴った、事実に基づいたフィクション。それをコミカルに、切なく、市井の物語として描く三部作。

この作者の作風がとても好きです。本当に悲しいこと悲惨なことでが、それを過大にも過小でもなく、人が生きている様を淡々とそれでいて繊細に描いていきます。切なくて胸が痛みますが、確実に心にふれてくる作品だと思います。

この時代の生活について丁寧に調べて描いたんだろうな。誠実な感じと穏やかな雰囲気が好きです。

この時代を生き抜いた人達の心情に向き合って、今を生きる人達へのメッセージが感じられました。

読み切りですが、満足できます。戦争時代から今にかけて、一つの家系の話になっています。

紙で持っています。「この世界の片隅で」ですっかり有名になった作者さんですが、このお話もヒロシマの物語です。過去と現在が哀しく、強く、明るく繋がっていくところに涙が出ます。

東北地方在住です。「黒い雨」で当時の被害者の方が差別を受けていたのは知っていましたが、孫の代まで差別の対象になっていたというのは、恥ずかしながら知りませんでした。広島や長崎周辺に住む方にしか、もしかしたらわからない空気感や肌感というものを、この漫画を通して知ることが出来て良かったです。後世まで伝えていきたいと感じさせられる漫画です。

作者さんの作風が好きです。辛い場面等もありますが優しく淡々と描かれています。この様な作風は戦争、原爆を題材とした作品の中でもめずらしいと思います。