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レビュー一覧

小説・実用書『抑止ー”基本”なのに理解されていない考え』

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総合評価
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1.0
(1)
5点 5 0
4点 4 0
3点 3 0
2点 2 0
1点 1 1

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2021-09-01
評価点
1
踊る工芸家さん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
冒頭で「ジャイアンに手出しできないのび太は忍従するしかない」等と書いてあるが、「ドラえもんやジャイアンの母親や担任教師らと情報共有し解決を図る」という観点がすっかり抜け落ちてしまっているので、たとえ話として中途半端だ。このようなたとえしかできないのは著者自身の「理解度や問題解決力」がそのレベルだ、ということを示している。「中東のジャイアン」であるイスラエルを、小国というだけで「弁慶の薙刀を身軽にかわす牛若丸」にたとえるのもピントがずれている。しかもここでの論点は抑止力ではなく回避力だ。回避し続けたところで弁慶の攻撃の抑止にはならない。相手は疲労が回復すれば攻撃を再開する。事程左様に、軍拡主義者の理屈は常にどこか思考停止・視野狭窄する。冒頭部分だけでもこのように首肯しかねる独自の論理展開が為されるが、抑止論の素人は簡単に騙されるだろう。またこの著者は敵国の侵略のみならず「挑発を抑止すること」をも欲しているようだが、そこには「自国の側が挑発に乗ってしまうことを抑止する」という観点が抜け落ちてしまっている。挑発されたら乗ってしまう、という貧弱なメンタリティがここに垣間見える。これほど精神が幼ければ、己の情緒安定のために「敵基地攻撃可能な核弾頭を備えた潜水艦を持つべき」と考えるに至るのも無理はない。「暴力(抑圧)で解決できる問題はある」という短絡思考から抜け出すには、義務教育で哲学・心理学を必須にし、問題解決力・メディアリテラシー・論理的思考力をみっちりがっつりしっかり涵養するしかない。