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私の家の側には「羽衣の松」という、ひなびた松の木がある。ご賢察の通り、日本中に広まっている、かの有名なフォークロア『天女と羽衣』を由来にもつ松の木の一つだ。だがこの松、天女が海水浴をしていた筈の海岸が、埋め立てに次ぐ埋め立てによって遠く何キロも彼方に離れてしまい、今となっては、何とも趣に欠ける有様となってしまっている。 まぁ、それはともかく、羽衣伝説しかり、ラピュタしかりであるが、『人が空から降ってくる』と言うのが、物語の導入において鉄板の一つとして用いられてきた手法であることに疑いはないだろう。本作もまた、芸術家肌の奇人変人たる愛すべき先輩が、『空から落ちてくる』という、古典的な導入を踏襲している。そんな電撃的な出会いを経験するのは、他者に対して固く身構える、長身の美少女。その古典的展開、少ない登場人物から、物語の帰結は自ずと明らかだが、ゼロかイチか、という基本的な枠組みの中で、微妙に揺れ動く少女たちの心情描写が、読む者を飽きさせない。犬井(魚?)先生は、実に具体的な作家だ。一見、矛盾するように思えるかもしれないが、氏の真髄は、恋愛を軸とする心理描写にある。これは私見に過ぎないが、つまるところ、心理を描くという行為は、避けがたく具体的な方向へ流れてしまうモノなのだろう。少なくとも私は、そう思っている。 色々と御託を並べたが、犬井先生の描く、柔和な筆致による優しさ溢れるキャラクターたちには、理屈を抜きにして、無条件に心を癒してくれる力がある。固定した物語展開は、古典的、教科書的と言われることもあるだろうが、大いに結構ではないかと、私は思う。「羽衣の松」のようなしぶとさを、私は愛しこそすれ、厭うような事は、決してしない。 これを読んで、私は思ったネ。恋愛に勝つには、やっぱり適度な粘着も必要だと。相手に「もう、仕方ないなぁ」と思わせたら、勝ちだよねぇ。あ、でも本当に捕まるので、相手が本当に迷惑がるような粘着は、ダメですよ(^-^;
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私の家の側には「羽衣の松」という、ひなびた松の木がある。ご賢察の通り、日本中に広まっている、かの有名なフォークロア『天女と羽衣』を由来にもつ松の木の一つだ。だがこの松、天女が海水浴をしていた筈の海岸が、埋め立てに次ぐ埋め立てによって遠く何キロも彼方に離れてしまい、今となっては、何とも趣に欠ける有様となってしまっている。 まぁ、それはともかく、羽衣伝説しかり、ラピュタしかりであるが、『人が空から降ってくる』と言うのが、物語の導入において鉄板の一つとして用いられてきた手法であることに疑いはないだろう。本作もまた、芸術家肌の奇人変人たる愛すべき先輩が、『空から落ちてくる』という、古典的な導入を踏襲している。そんな電撃的な出会いを経験するのは、他者に対して固く身構える、長身の美少女。その古典的展開、少ない登場人物から、物語の帰結は自ずと明らかだが、ゼロかイチか、という基本的な枠組みの中で、微妙に揺れ動く少女たちの心情描写が、読む者を飽きさせない。犬井(魚?)先生は、実に具体的な作家だ。一見、矛盾するように思えるかもしれないが、氏の真髄は、恋愛を軸とする心理描写にある。これは私見に過ぎないが、つまるところ、心理を描くという行為は、避けがたく具体的な方向へ流れてしまうモノなのだろう。少なくとも私は、そう思っている。 色々と御託を並べたが、犬井先生の描く、柔和な筆致による優しさ溢れるキャラクターたちには、理屈を抜きにして、無条件に心を癒してくれる力がある。固定した物語展開は、古典的、教科書的と言われることもあるだろうが、大いに結構ではないかと、私は思う。「羽衣の松」のようなしぶとさを、私は愛しこそすれ、厭うような事は、決してしない。 これを読んで、私は思ったネ。恋愛に勝つには、やっぱり適度な粘着も必要だと。相手に「もう、仕方ないなぁ」と思わせたら、勝ちだよねぇ。あ、でも本当に捕まるので、相手が本当に迷惑がるような粘着は、ダメですよ(^-^;