レビュー一覧

藤田和子先生がコミック化された『愛を忘れた氷の女王』、内田一奈先生がコミック化された『穢れなき乙女の献身』、七星紗英先生がコミック化された『情熱の忘れ形見』、山本鹿乃子先生がコミック化された『億万長者と秘密の愛し子』の続編で、『愛を忘れた氷の女王』で飛行機事故で死んだシンシアの妹がヒロインの作品です。コミック版の内容ですが、ヒロインが妊娠するのを後半に変えたのは良かったと思います。ヒーローに正体を知られる経緯もコミック版の方がいい流れでした。一方でヒロインの友人をハーパー(シリーズ最終作のヒロイン)以外出していないのは、ページ数の都合なんでしょうが、そこはちょっと残念でした。で、原作のレビューで他の方たちが散々突っ込んでいるようにヒーロー弟の件と、それに関する会社の会計不正のことがなあ。コミック版でもそこはすごくモヤっとくる展開でした。ここが一番評価が割れるポイントでしょうね。今回はちょっと星の数は多目にしました。なおこのシリーズは今作ヒロインの友人3人が6作目以降それぞれヒロインを務めますが、今の所6作目の『大富豪と貧しき相続人』(ハーパーの兄がヒーローです。はっきり言ってクズ野郎です　苦笑)以外は邦訳がないようですね。7作目以降も訳本を出して頂きたいです。

ストーリーの始まりはよかったのに…。ヒーローとヒロインの二人もよかったのに…。弟…。あらさがしをしているわけではなく、本当にこういう脇役がいることで台無しになる。王道でもありきたりでも水戸黄門的展開のような伝統芸として大歓迎だし、安心できるから大好きです。ただこういう脇役がいると本当にさめるんですよ。自分の会社でもないのに勝手に横領しておいて、一時的に借りたとか、身代金だったとか、全部返ってくるとか、そんなのどうでもいい。なぜ自分で用意できなかったお金なのに「ごめんなさい」もなし。そう謝ってないんですよ、この弟！なんで「やあ、兄さん」とかヘラヘラ笑いながら普通に帰ってこられるんでしょうか。そのあとも謝ることなく、兄に恋愛アドバイス。え、弟…お前が言うことか？ヒーローも弟は大人になった？じゃないって。兄に一言相談するべきだったし、信じないと思うなら他の方法でお金を用意すべきだし、横領は犯罪です。せっかくいいロマンスを楽しんでいたのに台無しでした。弟がいなけれなハーレーらしいストーリーでよかったです。

作家さん買いです。少し絵柄が変わりましたかね？彫りの深さを表現していた？トレードマークのトーンが殆ど無い？　そして、ヒーロー、ヒロイン共にクローズアップの美しさが半端無くて、ウットリする位。肝心のストーリーは、仮面舞踏会で素性を隠してベッドインした二人が、お互いを探す目印にとハーフハートのタトゥー（！）を入れ、最終的に（と言うか、割と早い段階で…）見つける訳ですが、それでメデタシメデタシでは無く、ヒーロー弟の横領（事実上ね）のせいで、ヒーローの会社の会計監査に来たヒロインが立場とヒーローへの想いの板挟みになって、結果信用を失って職も失い……更にはHQお約束妊娠発覚……ラストはやや強引にヒロインの強さのおかげでハピエンの運びです。ヒロインの気持ちになれば結構感情移入して楽しめたのですが、ヒーローがやや影が薄いのと、ヒーロー弟！！どんな事情でも勤務先（＝兄の会社）のお金を無断で３００万ドル引き出して消えれば立派な犯罪で、そのせいでヒロインの会計士生命は終わったと言うのに、この軽い扱い！かなり興醒め…… でも、絵の美しさに星は一つしか引けないわ。

恋愛自体はいいんですけどね… 弟を逮捕させるわけにはいかない！って、あーいつもの身内に甘いハーレクインか、って思いましたし、予想外の結末になったあとの弟の態度… 勝手に使ったんだから、まず謝れよ！おまえはなんでそんなに偉そうに言えるんだ。すっかり冷めて、最後は流し読みです。

思っていたよりはストーリー展開面白かったです。でも、どこかしら、淡々と進んでいくような印象もありました。

作者買いです。一気に読みました。お金を持ち出した弟の理由が意外でした。

「愛を忘れた氷の女王」で亡くなったシンシアの妹がヒロインのお話。姉のようにならないでと呪いのように母親に言われ、お堅い女性になったヒロイン。でも仮面舞踏会で一晩だけ大胆になり、名も知らないヒーローと関係を持ちお互いにタトゥを入れるという驚きなことをします。ヒロインは見えないところだけどヒーローは親指の付け根に、しかも半分のハートってなかなかのダサさを入れちゃうって。ヒロインはすぐに分かりますよね。会計士として行った会社のCEOでした。ヒーローは弟が会社のお金を無断で引き出しその穴埋めの時間稼ぎにヒロインの気を引こうとします。ヒロインは仕事とヒーローに挟まれ葛藤。結局ヒーローを庇い仕事を失う羽目になり去ります。ヒーロー側は仕事に支障は無かったもののヒロインを失ったヒーローは、なんと手書きの手紙を送るとは驚きでした。

対立する立場の二人と云うストーリーでしたが、ヒロインがあまりに簡単に主人公に篭絡されたのがちょっとガッカリでした。

作家買いです。絵はキレイだし構成も上手いので読みやすいです。ヒロインの自己評価が低い理由が曖昧で共感できなかったです。

兄に一言の相談もなく、会社のお金を300万ドルも引き出したヒーロー弟。これは間違いなく横領です。ヒロインもヒーローと自分が個人的に関係があったとわかった時点で何故会社に報告して、担当替えてもらわなかったの？それに300万ドルがいくら補填されていてもそれで問題なしと報告書に書くのはいかがなものかと。解雇されても文句は言えないヒロインです。ヒーローも弟をちゃんとしつけないと、そのうちにもっと大きな問題を起こされて木っ端みじんにされてしまうと思います。なんたって、帰ってきた弟の口から謝りの言葉もなく開き直っているんですから。二人の恋愛は良かったんだけどね。