レビュー一覧

絵が綺麗。絵が綺麗なんてプロなら当然でそんな感想も失礼なんだろうなと思い出させてくれるくらいプロを感じさせる絵です。実際、絵の良し悪しと魅力は関係ないですけど、この漫画家さんは両方を持っている気がします。それにしても１９年は長すぎる。現実だったら再会したとしても完全に無関係な人間になれるくらいの時間じゃないでしょうか。多少の感傷はあったとしてももっとドライな気がします。そこまで未練も長く続かないし、シングルで子供を育ててたらどうでもよくなっていそう。それにしても身勝手なヒーローだなと。傲慢とかそういうのとは違うんですが、なんかこう…病気がわかって妻と話し合うこともなく別れたところまでは若かったし、仕方ないとしても。再婚を考えた相手がいることも、離婚後、恋人を作ること…いや、恋人を作ろうと思う気持ちを持つことって、どうなんですか？？？？どうしてヒロインじゃだめだったの？？？わざわざ妻を捨ててまで病気を隠したのに、その相手とは病気を通じて知り合ったとしても、なんかこう…ひどくないですか？ヒロインは病気のことを知らないんですよ？選ぶこともできなかったのに、自分だけ選んでる。ヒロインは立派ですよ。かけおち同然で結婚したのに無責任に捨てられて、それでも子供を育てきって自立もしてた。娘がいたことで病気を告白せざるを得なくて接触してきたみたいですが、それこそ海外お得意の弁護士でいいんじゃないかと思いました。若かった、病気が怖かった、だから妻から逃げた。それならせめて再婚とか恋人とか考えずに生きろと言いたい。恋人を作りたい気持ちを持つより先にヒロインに事情を話しにいく勇気を持ってほしかった。もっとヒロインに悪いことをしたと思って生きていてほしかった。とにかくヒーローが悪い。ヒロインを思い続けてたとか信用ならないなと思いました。そもそもこの病気、男子だけに遺伝するなら離婚するほどじゃないんじゃ…？

まとまっていて、読み応えありました。ただ、終盤のヒーローの再婚発言にガッカリしました。

原作からかなり話を改変されています。中でも一番目に付くのは主人公たちの娘ジェシカ(ジェス)にも恋愛話を作った点です。おかげで彼女の大学生設定(原作ではオックスフォード)も、将来の妊娠に関する問題の話も原作以上に話の中で活かされていました。あと原作はヒロインが20年(コミック版は1年だけ短くなっていたけど何故でしょうか?)ぶりにヒーローに再会してからセックスのことばかり考えていているのが読んでいて嫌だったのですが、コミック版は原作よりはその辺は薄めになっていて良かったです。あと原作と違って病名を入れていませんでしたが、やっぱり実在の病気の名前を出すのは変な誤解と偏見を植え付けるし、実在の病気と症状が違う点もあるし当然ですよね。一方でちょっと微妙に感じたのは、原作は今から30年前の作品なのですが、コミック版はスマホとか出しているし思い切り現代設定になっている点です。つまりコミック版の主人公たちは原作版のジェシカより10年くらい年下になっていて、作中で言われていた世代からの意識の違い話も、原作版の主人公たちとコミック版の主人公たちの世代間意識のギャップの方が凄いのでは、と読んでいて考えてしまいました。

お互いがお互いを大切にしすぎて、というよりヒーローが独りよがりに、悩んで去っただけですよね。深く傷つけられて誰も愛せなくなったヒロインが、ただただ可哀想。

ヒロインがハーレクインにしては珍しく同年代だったのでポチりましたが、想像以上によい話でした。遺伝子由来の難病が伴う重い内容の上、ヒロインもヒーローも隠し事から後ろめたくなってお互い避けあっていますが、娘がよい塩梅に立ち回ってくれたので話自体はライトに読めます。教育の賜物なのか、両親より娘の方が精神的に大人だなぁと思いました。

若い頃の恋愛はただただ相手が好きで、ある日問題にぶつかると二人で解決までの道のりが困難で、別れる事で解消する方が楽だった。別れてもまたほかの人に出会えると思っていた。でも人生を重ねて思うのは、本当に心から信頼できてお互いに好きになる人と出会えるのは多くないことを知った。今回のお話はそんな思いを彷彿と思い起こさせる。心の中の小さな棘と温もりを感じる佳作だと思う。

ヒーローが遺伝性の病を抱えていた為に別の理由を付けて離婚します。ヒロインを愛し、彼女の為と言うなら陰ながら見守り困っていたらソっと助ける。その位の義務はありますよね。ヒロインを捨て置いておきながら再婚を考えた相手がいたなんてよく言えたもんですね。

まるで映画を見ているような読後感。登場人物それぞれの想いがよくわかります。ひどい別れ方をするこの手の話は、大概がヒーロー勝手だわ！と思うのですが、このお話は「いろいろ抱えるには若すぎたんだね」とヒーローの気持ちに寄り添える私がいます。

久々の満足感です。ハーレってページ数制限のせいか最後が詰め込み駆け足。それが全く感じられない。お互いの心情の移り変わりもよく分かるし、何より絵柄が綺麗。繊細な線が素敵。まあ、細かい突っ込みはできるだろうけど、ロマンスだもん。出来すぎでいいじゃないか。にしても、ヒロイン親子は違うタイプで美人さんなのね。良いなぁ、眼福です。

本物のヒーローはヒロイン娘の彼氏トムだと思う。ヒーローは、無自覚で自己完結型のどうしようもない男だなぁ。ヒロインは、傷が深くて引きずってるのは分かるけど、ここまでこだわる程の男じゃ無かったって、彼の再婚話で思わなかったのかな？とは言え、この作家さんの絵が好きすぎて評価上げちゃう。ヒロイン達の年齢の変化がきっちり書き分けられてるのが凄い！