レビュー一覧

作者買いです。画力の高さと、攻めも受けも共に色気溢れるキャラが個人的に好みすぎて、いつも新作を楽しみにしています。この作者さんが描いた『チキンハート…』が最強すぎて、なかなかそれを超えるものには出会えないですが、これも私は星5です。これも面白いんですが、もう本当にね、『チキンハート…』が凄すぎて。。。知ってる皆は、どうしても辛口評価になってしまっている気がします。今回のストーリーも安定です。どちらかというと日常系なので何か凄いことが起こる感じでは無いですが、私は今回の時代背景の感じも好きです。もちろんラブラブありますが、（作者さんのどの作品でも思うんですが）もっとイチャイチャしたところが読みたかった！！！笑

わー、作者様とってもお久しぶりですね！前作が傑作だったのでどうしてもハードル上がっちゃうところもあるかな？そもそも私にとっては好きだけどがっちりハマるときとややピンと来ないときのある作家さんで、今作はどちらかと言えば後者。機微を穿つ表現にはいつも敬服してきましたが、今回はそれが薄く、淡々と進みぬるっと終わった感が否めないです。いや、ただ期待が大きすぎただけであって、冗談も通じない生真面目な攻めや、方言、身分差など萌えポイントがしっかりあっていい作品だと思うんです。そういうところに集中すればもっと楽しめるかも。

大島さんの和装、若旦那ときたらこれは読まねば！となりました。若旦那の着物がどんな風に乱れるのかをワクワクして読んでみたのですが肝心のシーンは洋装でした(お知らせ) お話は思ったほど盛り上がらなかったというか、攻の近藤が時代や身分もあってかあまりぐいぐい行かないのがちょっと残念だったかな。ぶっきらぼうな攻が若旦那に強引に迫る所を期待し過ぎてしまいました。付き合った後の物語が読んでみたいと思ったので続編有ればいいな。

柔らかい響きの｢船場言葉｣がいい雰囲気。読めば自然と抑揚もついて、話し言葉のニュアンスが文字に起こし切れてない部分に躓くほど。街と時代、受けの人柄を感じさせるには充分です。それが｢脱げ近藤｣と来た日にゃあんた笑。入りの方言ネタはベタ過ぎだけど、それも攻めの人柄の表現と思えばまぁ。仏頂面はむっつりの証し。受けが攻めの日記を盗み見るところから、ギアが上がって面白くなっていきます。世襲の若旦那じゃないのが物語の肝。とは言え、全体的には抑えたトーンで進むので、機微と映るか、のっぺりと映るかは、世界観への馴染み具合に依るのかなぁ。全然違うけど、言葉のせいかチラチラ舞う｢細雪｣…大旦那が谷崎に見える笑。

作者さん買いです。絵がどんどん綺麗になられてほんとに美しい…惚れ惚れします。主役2人は男前で、飄々とした若旦那と無骨実直で真面目な運転手。飄々としているようで、実は大旦那との過去、津島への思いを引きずり抱えている。近藤の素直さ、好きなものを好きと臆せず言える強さに、徐々に惹かれていく竜次。竜次は自分が何も言えずに過去になってしまったこと柄に少しづつ向き合い、前に進もうとする。主役2人の主従関係から、甘さはあまり無いけれど平坦な中にも信頼感や人情味が感じられる作品。個人的な欲を言えば分かりやすいキュンがもう少し欲しかった。

雰囲気のある絵柄としっとりしたストーリーが大好きな作家さんですが、この作品はなんだかドラマの序章みたいな感じでこれで終わりだとするとちょっとモヤモヤが残りました。無愛想（というか無表情）の運転手近藤が、おおらかで男気のある主人伊波に段々と惹かれていくのはわかるのですが（運転を代わったり、カイロにベンジンを入れる近藤に傘をさしかけたりするシーンは素敵でした）伊波が近藤を意識して恋愛感情を持つに至った経緯がちょっと唐突。寡黙な近藤が自分に好意を抱いているとノート（蛇足ですが鉛筆なのに万年筆みたいな筆跡でしたね）を盗み見たことをきっかけに意識したのはわかるのですが、そこから肉体関係を持つまでがちょっと駆け足というか… 近藤のおかげで因縁を抱えていた津島や自分をずっと邪な気持ちで捉えていた大旦那と決別できたというのは分かるのですが、奉公に出された時の“道端で死にかけている男“のくだりも良くわからず。最後に津島が金の無心に訪れるというのもストーリー上必要だったのかちょっと疑問です。（伊波の心の中では津島にも元婚約者にもちゃんときちんと決着をつけることが出来ていたのですから）それまでせっかく丁寧に二人（近藤と伊波）の関わりを描いていたので上下巻にして、後半二人が結ばれるまでをもうちょっと描いていただきたかったなと残念に感じました。

久々の新作待ってました。大正浪漫、と言うには近藤のボケが炸裂しすぎですが、ナイスキャラです、近藤さん。少し短い印象もありましたが、これはこれで良い決着の付け方です。時代物のせいか、奥ゆかしさを感じますが、エロが少ないと思う方も。自分にとってはストーリーとエロの比率が黄金律な作家さんなのですがね。残念に思えたのは、近藤の日記の字体でした。そこは鉛筆感があった方がより世界観が完成したのに。あと、おまけ漫画を読んで現代版の井波と近藤を異常に欲してます。現代版でもうワンストーリーお願いできませんかね？井波さんのデキる上司姿をもう一度見たい。

多分本当は3巻くらいに分けて纏まるお話なのかもしれません～！でも見目麗しい登場人物を堪能しました。スマホがない時代っていいなあ...

作者様買いです。毎作品全部大好きです。今回は帽子の縁がやばいほど格好いいです。色気の帽子を被る若旦那様。はぁ、ため息吐息です。背広も和服も詰襟も。身体が綺麗で、服や小物に、表情があって大好きです。覚悟を決めて、脱げと言う若旦那様にやられましたぁ！

はぁ...いい！読後ため息が出るほどいい話でした。まずは先生の絵が美しいので絵を眺めるだけでも星5です。旦那様は和装から洋装まで見事に魅せてくれますし、近藤くんの運転手服、あの白い手袋もまたたまりません。服を着ていても漏れる色気のあるいい男二人。そして、旦那様。ああ旦那様。なんていい男。綺麗な顔しておられるのに清々しくきっぷのいい男らしいお方。でも甘えるところは甘える。おねだりもする。すごい勢いで迫る!!「脱げ近藤」が私の心の2021年上半期最も心に残るセリフ大賞となりました。車のシーンはタイタニックを彷彿とさせ車窓が曇りそうな感じまでしてくるようでした。で、また一気にのぼりつめて結構さっぱり終わる描写が現実的で萌えました。長々と続く描写の作品も多いですが、実際はこんな感じで燃えすぎてすぐ達するよなー、そこが逆に二人の情熱がわかりやすく感じて、萌えポイントでした。他の先生の作品と同じく何度も読み返すものになると思います。ありがとうございました。