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小説・実用書『「反日思想」歴史の真実』

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総合評価
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3点 3 0
2点 2 0
1点 1 1

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2021-09-29
評価点
1
踊る工芸家さん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
著者は尖閣諸島問題について中国人集団と議論中こう主張したらしい。「明代の記録にあるから尖閣は中国の領土だと言うなら、コロンブスの発見まで記録になかった米大陸はインディアンの領土ではないことになる。大事なのは記録ではなく誰が支配していたかだ」と。自称保守主義者の論理力の低さが実に良く分かる。これに対する中国人の反論は書いてないが、仮に弁の立つ論客がその場にいたならこう返しただろう。「AだからBと非Aだから非Bは同値ではない。仮に貴方の理屈が正しいなら中国が尖閣を奪って支配すれば良い。数百年後には中国の物になる」と。「大事なのは記録ではなく支配の有無」という主張は「自分の持つ記録では勝ち目がない」「支配さえすれば解決」と言っているようなもので、竹島や北方領土を放棄するにも等しい。これで相手を論破したつもりでいるのだから、著者の先見性・洞察力の無さには笑う他ない。また著者は同じ議論中に「アヘン戦争で中国が英国に易々と負けたから日本が中国に侵略・戦争したのだ。戦争責任は中国にもある」とブッ飛んだ主張をしている。これに対しても中国人の反論も記載がないが、恐らく「頓珍漢過ぎて意味不明。何言ってんだコイツ」と呆れられ無視されたのだろう。このレベルの論客は「反論なきは同意」と見做すご都合主義の傾向が高いので、著者は未だにそう勘違いしている可能性がある。そして何よりそのたった1度キリの議論の数回のやり取りだけで、「中国に正論は通用しない」と断ずる著者。この短絡さがネトウヨのネトウヨたる所以である。折角顔見知りになったのだから、名刺交換でもして公開の場で議論を続けるなりすれば、第三者から上記したような観点も聞けてより有意義だっただろうに。今回はたまたま相手の中国人に議論能力がなかったのかも知れないが、近年の中国は大学で「詭弁の種類とその反駁法」を細かく教えている(しかも英語でも)。もしも日本がこのまま哲学や心理学を義務教育で教えないままでいたら早晩、議論能力でも追い越され尖閣も奪われるだろう。取り敢えず、著者のように「被害を受ける原因は被害者側にもある」等と考えている「因果概念が未熟な人」は、一度はネットで「感情自己責任論」を読み、正しい因果論・責任概念を身に付けるべきだろう。