レビュー一覧

お互いに惹かれ合っている若い二人が政略結婚によって引き裂かれ…７年後に思わぬ場所で形で二人きりに。場所も状況もとてもロマンティックであまり現実的ではありませんが、それがかえってお話しに没頭できるセットなのかも。経験豊富な年上のヒーローが、明るく真っ直ぐなヒロインの手のひらで転がされてる感もありますが、お話しの展開が上手なので最後まで飽きることなく読み進めていけます。自分の家柄に、過去に縛られたルカをひたすら愛し続けて待つポピーという構図ですが、何しろ二人の会話のやり取りが軽快で面白い。ポピーの人柄が滲み出ていて活き活きしていてとても好感が持てました。最後、ルカがポピーの元へ行くのが遅れてしまった理由には思わず笑ってしまいましたが、色んな出来事が巧みに散りばめられていて思わず唸ってしまう作品でした。ただ、ポピーの身体の変化にはちょっと上手くいき過ぎな感が否めなかったので★減で4.5というところでしょうか。

気持ちはわかるけど、理解できないヒーローの考え方。ラテン系ヒーローの場合、よく家族のために己を犠牲にし、政略結婚をする設定があります⇒つきあっていたヒロインがいつも犠牲になる⇒再会し愛を確かめ合う⇒訳ありで前途多難な２人⇒無事問題解決、めでたしめでたし〜！　って感じのてんかいですか！？　ヒーローが不毛の結婚生活を送っている間、ヒロインは傷心に耐えながら独り身を貫いたり、訳あり結婚をしたり（偽装結婚的な。ヒーローの子供を妊娠した場合はこれ多し）……とにかくヒーローに未練たらたらだったりします。肝心のヒーローはヒロインを愛しているにも関わらず、なんだかんだと言い訳つけて真っすぐヒロインに向かいません（この作品もこのパターン）。７年もヒーローに想いを寄せ続けたヒロインですが、これで良かったのかどうか……ハッピーエンドだけど、何故か府に落ちない気分でした（７年は長いよ）。