レビュー一覧

1巻だけ読みましたが、面白いと思います。麻酔科と外科ってそんなに仲が悪いの？ってところは疑問ですが、ぶっ飛んだ誇張なく比較的リアルに描かれてるんじゃないでしょうか。出てくる薬とか医療機器とか指示内容も本物っぽいし。それでいて内容を重く感じさせない画とストーリー。ドロドロした医療物じゃなくて、今日も仕事大変だけど頑張るかー！という気にさせてくれる内容です。麻酔科の先生は縁の下の力持ちですね。

1巻読みました。私は、外科医のセクハラを「受け流すだけ」なのが許せませんでした。抗議も許されない環境、おかしいですよね。しかもそれを「我慢すべきもの」と描いてるようにとれるのが、なんとも許せません。先に進めば彼らセクハラ医は罰されるのか？その描写も期待できなそうなので先は読みません。威張り散らしセクハラが当然という外科医…これ、よくある話だから描かれてるんですよね。サイテーですね…。これだから日本は、と思ってしまいます。セクハラは犯罪です。性犯罪者に処罰を求める展開、若しくは処罰求めても跳ね返される現状への批判的描写がないと、到底受け入れられません。日本の漫画全般（特に男性向け）に言えますが女性の尊厳をないがしろにした描写があふれていて本当に腹が立ちます。女なめんな！

麻酔での手術受けたことありますが、そういえば執刀する先生は腕がいいかとか気にかけたけど、麻酔の先生を気にかけたことが一度もない。麻酔って手術前当たり前のように受けるけど、こんなに大変なのに、患者サイドからも外科医からも空気のような存在にされ、感謝されることもなく、患者の命と向き合って過酷な労働をしてるんだなってこの漫画で知りました。主人公が明るくて前向きで気が強くおっちょこちょいで落ち込んだり怒ったり、恋を夢見たりと本当に普通の女の子なのも共感しました。

無料で一巻読みました。自分が今まで全身麻酔での手術を2度経験しているので興味がありました。麻酔のリスクなど 麻酔医の先生がオペ前に説明と挨拶をしてくれたのを よく覚えてます。そしてやはり麻酔前に「もしこのまま眼が覚めなかったら、、?」という不安感もかなりありましたが 説明に来てくれた先生の顔を思い出し、あの先生なら大丈夫！と思ったりしました。この漫画で麻酔後に挿管されてることも思い出しました（先生の説明を）確かに麻酔で意識ない自分には眼が覚めても 一瞬の出来事ですが こんなにも麻酔医の先生が 目を離さないで自分を診ていてくれたのか〜と感慨深いです。ちなみに絵は 好みではないですが 話し的には 好きです。麻酔医の減少は本当に問題ですね。

きついし対人関係悪いけど、ほら！こんなに頑張ってる私！なアピールをすごく感じてきちょっとダメでした。

「あんたら何者？」「麻酔科医です！」（どや顔）のところで、もうすでに嫌な予感がしたんですが、やっぱりちょっと力入りすぎで読んでいてしんどいところがありましたね。ヒロインもかわいいし確かに頑張っているんだけど、そういう私って素敵、が鼻についてダメでした。好みの問題です。

自分も何度も手術を受けていますが麻酔科医の方がこれ程色々と関わってくださっていることをこの漫画を読んで初めて知りました。これからは術後には麻酔科医の方にもお礼を言うようにします。

面白かったのですが、これで最後というのが残念です。

麻酔科医に焦点を当てた医療物ということでとても新鮮でした。ただ、他の方の指摘にもあるように、作品のセクハラに関する表現にかなりの違和感を覚えました。ここで問題にしているのは、時代設定とされている１０年ほど前（第二巻のあとがき参照）に実際にセクハラがあったかどうか（あった・今もあるのでしょう）、あったとしてそれを正確に描写できているかについて苦言を呈したいわけではありません。また今の批判は、フィクションであるということ（とはいえ、ノンフィクションであったとしても当てはまる批判をします）、漫画という表現媒体、作家さんの独自表現を踏まえています。その上で作品のセクハラをめぐる視点・表現に対する感性を疑問視しています。重複する２点に絞って書きます。主人公の自己形成の物語（Bildungsroman）はとても魅力的なジャンルで、他の方の指摘にもあるように、この作品が若くて平凡な麻酔科医ハナの成長に焦点を当てていることは新鮮です。ただ、年齢や経歴の割にハナはとても幼く感じます。リアルであるかどうかという話とはまた別に、女性としての若さみたいなところを強調してる部分や、周りの（特に男性）医師たちのハナへの態度に現れる好感と言えば聞こえはいいけれど単なる見下しでしかない態度（例：ハナの患者の死に対するリアクションに対する「イイコちゃん」という言い回し）に疑問を覚えます。また、セクハラ行為に関して言えば、医師たちが手術中にお尻を触るシーンがいくつかありますが、一番気になったのは胸の鷲掴みが公然と行われている場面。それがある医師のキャラとして扱われていること。本人の反応（事後陳情を申し立てるシーンは出てきますが、行為の最中にそうした行為に対する強い不快感を覚える様子、拒絶する意思は描かれていません）、それに対しての周りの反応。さらに作品がそれをアトラクションとして利用している点（主人公の胸をもっと大きくするよう漫画の作者さんに指示があったことが、第一巻のあとがきに書かれています）。つまりこの作品のセクハラの描写は、リアリティの追及（麻酔科医の仕事・生活を描く）や、問題提起を行うということ（だけ）を目的とはしておらず、むしろアトラクション、エンターテイメント、作品の商品としての好感度を高める目的としてなされていることです。対象読者（ヘテロの男性？）に対しても侮辱ではないでしょうか。

どこまでもマイナーな診療科である麻酔科を主題とする作品ですけど、この物語には多くの漫画で出てくる様なスーパードクターは出てこないし、特別な才能を持った天才や常人では為し得ない特殊技能特殊能力の類いも一切無い。等身大の人間が職業としての『医師』を全うする為に真っ当に努力する物語です。そして、壁にぶち当たったり、人間関係に疲弊したり、他人の命を預かるプレッシャーに押し潰されそうになるなかで、必死にそれらと戦うシーンが幾つも出てきます。けど、その場面場面で『うんうん、そうなんだよな････』と再確認すると同時、思わず『頑張れ！』と応援したくなるような、そんな物語です。