レビュー一覧

重度の難聴を抱えるイラストレーターの主人公千里が、SNSを通じて知り合った兼業小説家の波間と恋をするという物語。千里はハンディキャップはあるものの決して不幸・不憫というわけではなく、好きなイラスト・漫画を仕事として自立していこうという頑張り屋で、優しく紳士的な波間に段々と惹かれていく様子が丁寧に描いてありました。波間の本業を知った千里がショックを受けるというのはすごく自然で巧い設定。後半で終始スマートな振る舞いで千里をリードしてくれてた波間のオスの顔（？）も表れ、その積極性にニヤリとしてしまいました。事件やドラマティックな盛り上がりがあるわけではないけれど、穏やかで優しい作品でした。

優しいお話でした。難聴とピアノというとベートーベンは耳が聞こえなくなった晩年、ピアノを噛んで振動で音を感じ作曲し続けたとされてますよね。聴覚障害を持つ友人は私の弾く楽器に手を触れて音楽(振動)を楽しんでましたよ。

初めましての作家様です。ふんわり温かな雰囲気で話が展開していくので心穏やか読めました。誰しも未知の世界へたった1人で立ち向かうのは勇気が入ります。千里が浪間に惹かれ自分を受け入れてもらえるだろうかと臆病になってしまう気持ちをも乗り越えて踏み出す勇気にジンときました。千里が自分の恋愛感情に戸惑う場面は初々しく、浪間の知らない一面を知ることで引け目を感じ悩み苦しむ姿は切なかったです。そしてそれら全てを受け入れ包み込む浪間のスパダリっぷりには萌えました。この2人のお話しはむしろ恋愛が成就しその後の展開の方が気になります。

他の作品で作者さんを初見し、優しい文章やお互いを自分の目でちゃんと捉えようとするカップルが好ましく、この作品も手にしました。他のもそうですが、過去であったり、難聴など、もしかしたら、勝手な認識と思いますが、暗くなりすぎず、卑屈になりすぎず、それらを受け止めて互いに自分自身も大切に同性愛を描くのは難しいと思っていました。それをどちらかといえば、サラッと書き上げていて、すんなりと入り込める作品でした。ただ、恋愛初心者がいきなり初めてでここまで蕩けるのには、苦笑しました。

48時間レンタル。攻めが大人の男性で、受けが難聴だと知ってもさりげない気遣いができる人でした。ページ数がとても少ないので、ちょっと物足りない気もします。攻めの兄夫婦や受けの両親との話などがあれば、もっとよかったと思います。

ゲイ×恋愛初心者な重度難聴青年。攻めがゲイであることは終盤まで明かされませんが、初っぱなから攻めが受けのことを好きな態度を隠してないので、攻めがカムアウトしたときにはすんなり腑に落ちました。これでもし同性を好きになるのは初めてなんて言われると興ざめたったので。落ち着いた大人っぼさが魅力的な攻めさんでしたが、変態ぽいところが少しでもあれぱ人間みを感じてもっと魅力的だったかも。

ハンデキャップがある受けのBLが好きなのでお初の作者さんですが借りてみました(^ ^)

タイトルから分かるとおりのほんわかしたお話でした。