レビュー一覧

穏やかでしっとりとした文体と物語、それが杉原さんの魅力なのですが、この作品はそれが発揮されすぎて切なく・苦しく・重い…。二人の関係や終わり方も個人的に好きになれませんでした。非情に好みの別れる作品だと思います。杉原さんのお話をまだ読んだことがない方は、別の作品から試された方がいいかも。二人はこの後どうなったのかな…。おもいっきり幸せになってくれてたら嬉しいです。

杉原さんらしくグダグダ（褒めてます）したテンポに、少し昼ドラ風の展開が含まれていて個人的には楽しめました。雰囲気が割と重苦しいので、BLをサクッと楽しみたい、という方には不向きかもしれません。

圭吾の第一印象が森瑶子作品に出てきそうなアンニュイな人です。そして一番触れたくない気持ちには蓋をして大きな石を乗せてしまう人。最後には現実を心の奥を開かしたい蒼に暴かれるんですよね。複雑な家系にはこんがらがってしました。

高原の夜空の描写が再々あるように、この作品のイメージとなっています。攻めが夜空に例えられているせいか、終始熱が感じられない不思議な感覚がありました。Ｈシーンであっても体温が感じられないというか、エロさがない。文章は非常に上手です。あとは好みの問題なんでしょう。私の萌えは刺激されず、☆3つで。