レビュー一覧

原作の紹介文にあるように『十八歳の恋は今』、『シンデレラを演じる十日間』に続くディ・フィオーレ三兄弟シリーズの最終作です。前作のラスト近くで前作ヒロイン、キアラが前々作ヒロインの妹から今作ヒーローの過去の失恋と今後二人がよりを戻すことは絶対ないだろうことを聞かされる場面がありましたが、その「絶対ない」ことが起こった話です。今作ヒーローは前2作では兄弟中でも一番チャラいキャラ(今作ヒロインとの失恋が原因らしい)ながら兄たちの恋愛で助言をするなど良いサポート役をやっていましたが、自分のこととなると駄目だよな、という印象でした。コミック版の内容ですが、ストーリー自体は前々作の主人公カップルの出番が全カットになっていること以外はそれほど原作と違わないのですが、くぼた先生の手にかかると原作以上に重く切ない、しかしどこか爽やかな読後感の作品になっています。レオ君の使い方もコミック版の方が上手かったですし、やっぱり上手い先生が描くと違うよなあ、と思いました。前2作もいつかコミック化して頂きたいのですが、どうですかね。あとシリーズ通して思ったことですが、この兄弟、自分たちの母が原因で女性不信になっていますが、そもそも悪いのは変な方向に男のプライドを発揮した父親の方で、お母さんは寧ろ被害者じゃね、と読んでいて思いました。

久々のくぼたさんの新作、速攻レンタルしました。　出だしこそは、背景を理解して入り込むのにちょっと頭を使いましたが、さすがはくぼたさん！いつもながら小説をじっくり読んだかのような読み応えでした。ヒロインとヒーローのバックグランドはサンプルで既に明かされているので飛ばしますが、ホットなシーンや強引なヒール役等一切無く、ただ落ち着いたでも少し影のある二人の心の動きをジンワリと味わう、そんな作品でした。三歳の息子ちゃん、ヒロイン母とその親友、ボディガードと脇役も良い仕事してます。

くぼた尚子のシンプルで繊細な画が、このつらい物語を引き立てている。激情に振り回されるでもなく、薔薇の花が舞うでもなく、見えない心の中に迷いや愛情を抱える二人。それがこの画でより伝わってくる。

ヒロインが自立してシングルマザーになっていた事は立派な事なのに、ヒーローは自分の不甲斐なさをヒロインにぶつけてヒロインが気の毒でした。ヒロインがヒーローの元を去った事を理解してあげてほしかったですね。

作者さん買いです。映画を見てるみたいでした。ウム、とても良い話でしたが、無期限にはしません。何だかヒロインもヒーローもウジウジだから。

いつものHQとはひと味もふた味違うストーリーです。また、そう強く感じさせるのは、くぼた先生の画力でしょう。大人の２人がそれぞれの生き方を築いたあと、すれ違いながらも2人で歩いて行こうとする、じんわり心に広がるお話でした。

とても大人なストーリーです。ヒロインの後ろ向きな考え方は、今までの生活環境を考えれば仕方がなく、何の得にもならないのに度々救ってきたヒーローは、もうただ愛しているからだけなのが、淡々と進むお話に垣間見え、読み応えがありました。読んで良かったです。

情熱的な一夜から始まってるのに、じわ～っと感動に浸れるストーリーです。年月を経て再会しているのもあるし、お互いの葛藤やこれまでの人生をちゃんと見せあって大人のラブストーリーになっているから。あと、要所要所で息子のレオくんがかわいい我が儘言って癒してくれるのもいい感じ。

くぼた先生が書くHQは原作を上手くまとめ、たまに原作以上に話が良くなることがあるので読んでいてハズレがない作者だと思っています。でも今回はレビューを書くのが困る感じでした。最終的にハッピーエンドですが、そこに至るまでにお互いの気持ちがすれ違うので焦れったくて二人ともウジウジしたいる印象が残りました。人間味があって良かったんですけど無期限にはしないです。

先者さん買いです。期待を裏切らないストーリー展開で、映画を見ているかのようです。マフィアのボスのひとり娘として生まれて、蝶よ花よと育てられたどころか、周りから避けられ、孤独に生きてきたヒロイン。そしれそのヒロインの、唯一の心の支えであるヒーローも、母に捨てられた心の傷があるため、女性不信も感じられます。そして、ハーレクインの、おきまりのシークレットベビーものとはひと味ちがって、かわいいだけじゃない息子のレオも、とってもいい味だしてます。明確な当て馬も、悪役もいない、ヒロインもヒーローも見えない何かと葛藤しているなかで、ありきたりな幸せをつかむ、あたたかなストーリーです。おすすめです。