レビュー一覧

異世界トリップ＋獣人アリというファンタジーBL。菓子職人だった父親を事故で亡くし、一旦祖父に引き取られた主人公の湊は祖父の所有する古いビルである夜、白い仔ライオンと出会うのですがそれはアルトリート（リート）という異国の少年。ビル内の古く壊れたエレベーターが、この世と異世界とを繋ぐ扉になっているというまるで『ナルニア』を彷彿させるような始まりです。リートとの楽しい日々も、彼の突然の帰国（？）によって終わりを告げるのですが、その時思わず言ってしまった酷い言葉がずっと港の中には後悔として残っている。それから20年、世界でもトップクラスのショコラティエとなった湊が亡くなった祖父からそのビルを受け継ぎ、異国の王となったリートと再び再会する…というストーリーです。湊は異世界でリートの義母や弟妹たちのためにショコラを作る薬剤師として働くことになるのですが、少年時の突然の別れがしこりとなって残っていてなかなかラブには発展しません。もどかしいながらもショコラの歴史や製法に関する事が丁寧に書かれているので興味深かったです。幼い頃から湊一筋だったという逞しくも優しい獅子王リートが素敵でした。出来る事なら私もライオンをモフってみたい〜　でも実際は臭くてゴワゴワなんだろうな。そしてこれを読んだらショコラが食べたくなること間違いなし！…とは言え、そんなショコラティエの作った高級ショコラなんてすぐには手に入らないので、市販のチョコレート＋ホットチョコレートを楽しみながら読了しました。

今回のメインはショコラ？う〜んチョコレートでいいよね、チョコです(笑)。「あとがき」にも書いてありましたが、チョコの世界とやらは奥が深いようで……チョコ戦争が起きてもおかしくないほどの、食べる者の心を魅了して惑わすおそるべし至宝のチョコ・・・ だからか、湊が作るチョコにみんなが集まり、ニコニコ顔で幸せそうに頬張っています。もちろん私も食べたいし皆様も同じように思うのでは？チョコの誘惑が・・・あッ！リート☆湊ですね、チョコの中に辛さ？苦さ？が スパイスとなって、でも最終的には溺愛という甘さたっぷりの…もうこれでもかの甘い味付けでしたけど。

うーん、悪くないけどどのメインキャラにも感情移入できないかんじ、、、。ちょっと駆け足だったような、いろいろ要素がありすぎて中途半端だったような、、、。