レビュー一覧

受けは不幸な生い立ちのせいで頑なですが、実は健気。攻めは大人でクールで愛情がわかりにくいタイプです。野良猫が保護されてだんだん心開いていく感じです。２話分入っていて、第１話はすれ違い多くて読み応えあります。第２話は心が通じ合ってからの話です。第１話分だけでも面白いですが、後日談があるほうが好きな方には特におすすめです。

長いページ数を使ってのじっくりとしたお話です。受けとその叔父や柚木家の話→受けと攻めのすれ違い→最後の短編という感じです。とにかく人に頼りたくない受けは叔父の件でも攻めに対しても柚木家に対しても自分で何とかしなきゃいけないといつも気を張ってる感じです。癖のある人はいますが他はみんないい人ばかりで、いい人だからこそ甘えたらいけないと思ってしまうんでしょうね。私は最初に強引に体の関係を作ってからお互い好きになるよりも、やっと思いが通じた時に結ばれる方が好みなのでとても面白かったです。

受けが卑屈。母親に引き取られるまでの環境を思えば致し方ないのかもしれないけど。3話構成の3話とも受け視点のみだったので、攻め視点で、受けのこんなところが堪らん、みたいなのが読めたらもっと萌えられたかも。なんだかんだ言いつつ泣けましたけどね。

不憫受け最高でした！ツンツン突っ張った15歳なので、子供だなぁとも多々思ったし、一方で慶司さん(攻め)に苛立つ気持ちに共感したりしながら読みました。不幸な生い立ちに非常に切なく萌えさせてもらいましたが、そこから慶司さんを好きになる流れが何となく納得感無かったのが残念でした。二つ目のお話で4年後の19歳になるのですが、そこで気持ちを自覚するとかでもよかったんじゃないかな。でもここでもまだ気持ちがすれ違っていて焦ったくて切なくてすごく良かった！三つ目のお話はさらに、しっかり結ばれたはずなのに、まだ気持ちにすれ違いがあってさらに焦ったくて良かったです。ただ、受けがずっとグルグル卑屈な勘違いをしているだけとも取れるので、苦手な方も多いかと思います。私はめちゃくちゃ好みです。子供っぽい受けは好きではないけど、子供だから分かっていなかったり教えてもらえないことがあって、その裏で考え過ぎてしまったり突っ走ってしまったり、そういうところは若さゆえという感じで良かったと思います。途中、どなたの作品か忘れて読んでいたのですが、読み終わって作家名見て納得。不幸な過去を描くのがお上手です。

晴の健気さが全開の各章でした。誰かに愛して欲しかっただけなのに虐げられ利用されて本当の愛情に出会うまでが遠かったね、20才になってやっと想いを言葉にし合えて良かった読んでてウルウルしちゃいました。