レビュー一覧

文句なしに星5つ！出版順としては、空色スピカが先ですが、ストーリーの時系列でいえば中学時代から始まっているこちらの方が先になります。私は空色スピカを読まずによんだので、先を知らないのでどうなるのかなという楽しみがありました。受けがいじらしくて、可愛いけど、同時にちゃんと男の子であることがよく出ていて、良かったです。年齢的に、学生ものを読むのがちょっと厳しくなってきたのですが、これは成長が話の中でよいアクセントになっていて新鮮でした。ちなみに挿絵は入っていないです。

「空色スピカ」が一読して「大好きー！！」ってなる作品だったのに対し、こちらは何度も読むうちにじわじわキューンとくる作品でした。 女子高生を夢中にさせる王子様ルックスながら男らしく成長した自分 が衛守の目にどう映るか気にしたり、衛守と一緒にいたいがためにいろいろ画策する峰。周囲には優等生でいようとする峰が自分にだけ弱さを見せてくれることに愛しさを感じる衛守。衛守はずっとずっと峰を守ってくれるんだろうな。剣道部部室の場面が切なくて切なくて大好き。これを読んでから「空色スピカ」読んだら峰が衛守と出てくる度にニヤニヤしちゃいました。ただの腹黒生徒会長だと思ってたのに(笑)「星屑シトロン」も早く配信してくださーい！！

前作にも脇で出てた2人の話でこれも流し読みですが、ちょっと受けが女々しいかなって気もしました。

綺麗で可愛い受け、不器用ながら優しくかっこいい攻めという安定した萌え要素に寮生活・生徒会という土台の、青春物語でした。読後感も爽やかでとても満足ですが、欲を言えばあと少し甘さが欲しかったかも。シリーズの中で2作目であるこれを最初に読んだのですが、時系列的に前作より過去の話なので特に引っ掛かりなく読めました。

衛守と峰のお話。ふたりの生い立ち、出合いが濃厚に描かれています。前作では謎めいていた部分がしっかり読めます。峰がひたすらに可愛い。

空色スピカシリーズ3作で、このお話が一番好きです。この話だけが、トラウマや暗い過去など、人間の心の多様性が描かれています。1作目で綺麗で腹黒で万能感のある前生徒会長として登場した峰に、こんな重い人生が背負わされていたなんて。こんな闇を抱えていたなんて。愛情に飢えていた峰が、求めるものに出会えて良かった。衛守が寡黙で誠実でカッコいい。

一作目よりこちらのカップルのほうが好みでした。峰の過去、確かに気の毒なのですが、あまり悲壮感はなく、衛守に字のとおりに庇護されていて、幸せそうでした〜。

スピカを読んだ方がいいです、先に。じゃないと人物関係がややこしくなるので。スピカと時系列上重なるところもあって、前の会長たちの話ですが、こちらは普通に幼馴染訳ありものです。いろいろと普通に小説として膨らませてもいいフラグが多いけれど流しまくっているので、まあ普通に★一つで。

感動の2作目ですねぇ。生い立ちの複雑さを絡めながら思春期の子供から青年へと見事に成長していく過程を丁寧に描き出しています。周りのキャラも立っていて凄く良かったです。

作者さん買いです。間違いのない王道な設定で、安心して最後まで読めます。このシリーズは初めて読みましたが、ちょこちょことシリーズの他の主人公の記載があったりして、他も読みたくなってしまいます。