レビュー一覧

☆4.5。原作がチョコドーナツさんじゃないですか。きっと泣くだろうなと思って読みはじめたら、案の定。まずは秀斗の明るさのおかげで必要以上に湿っぽくも説教くさくもないのが良かったです。とは言え死ネタ苦手な方は要注意。「少年は悲しみを乗り越えて大人になる」の文言どおり、秀斗の手助けをするうちに幽玄がちゃんと成長していくんですよね。二人の間のこと、友人たちのこと、家族とのことときて、最後に秀斗が成仏できない本当のワケ。幽玄はきっとこのあと根っこの強い大人に成長していくんだろうなと思える構成がとても良かったです。奇跡が起きれば都合がいい話だなと思っちゃうくせに、それでも奇跡が起きてくれと思う自分に苦笑い。作者様の言いたいことがブレずに伝わり、きれいにまとまってるなあと思ったのが評価ポイントです。

1冊丸ごと表題作。表紙.サンプル.内容紹介に釣られて何となく購入。一応キス&エロシーンは有りましたが、BL部分よりも、攻めと受けの心の成長物語.人間ドラマの部分の方が主だと思います。そういう意味ではガッツリBLを求めている方には合わない作品だと思います。片方が幽霊…ということで、終わり方は何となく予想通りでしたが、死ネタのわりには暗くならず、ポジティブな気分に爽やかに、悪い人は出てこない優等生的な作品でした。個人的にとあるドラマを思い出し、そういえばあのドラマでも余命宣告された高校教師が、いつか読もうと思っているんだケド、読まない本について、生徒達に語っていたな…あのドラマと伝えたいテーマが似ている部分があるんじゃないかな？と思いながら読みました。 評価は、星5つは付け過ぎなような気もするのですが、私も色々後回しにする癖がついていて、出来る所から改善していきたいな…という気持ちにさせて頂いたので星5つで。BLを読んで、自分の行動も改めなきゃな…と思ったのは初めてだと思いますw。

あらすじとレビューから泣けると分かっていましたが、本当に涙がポロポロでした。幽玄の狭い世界が秀人の未練を消していくうちに色付いていって、最後の最後まで優しくて温かいハートフルなお話でした。奇跡が起こってほしいと思いながらも、これがしっくり来る素敵な終わり方なんだなーと。もっと早くお互いの気持ちを伝えてられていたら…と読者ながら感情移入して願わずにはいられませんでした。最後のおまけページで、秀人が幽玄を気になりかけるシーンや、その後のスマホ検索画面や盗撮ぽい画像が見れて良かったですw

帯のアオリや内容紹介に惹かれました。確かに死ネタなんだけど、何かしみじみきます。そして死ネタなのに明るいし、笑える。シュートの未練を幽玄がすったもんだしながら解消していく毎日に、幽玄の「生」を取り戻していく奥深い物語でした。シュートが生き返る掟破りも無かったのが良かったです。シュートの消滅シーンに、自分は心動かされませんでしたが（泣ける人は泣けると思います）それよりも、巻末のおまけページの方がじんわりきました。まるで名残を惜しむかのような2ページでした。

なぜヒデが死後に言っている感じの頼み事を幽玄が普通に言っていることを誰も不思議に思わないし訊ねないんだろう？という一点のみが気になって気になって…☆−１してしまいました。とはいえ絵も綺麗でストーリーも良くて、心が浄化される作品でした。本当に本当に、人はいつ死ぬか分からないんだから、どんなことも先送り先延ばしせずに、今やらなきゃいけないな、今を大事に…と思いました。（BLの感想じゃないなこれw）

本を閉じた時に、心にしみじみと感動が残ります。明るい秀斗や生真面目な幽玄の優しさのおかげで、全然重苦しくないです。主人公の幽玄と秀斗の想いがとても丁寧に描かれていて、読みながらも読んだ後も、自分だったらどうだろうか、後悔しないで今を生きてるだろうか、と胸に問いかけながら読んでいました。読み手の心に不思議な種が蒔かれるようです。こんな素敵な時間を過ごせるBLに出会えるなんて、作者様たちに感謝です。私は死にネタが大の苦手なのですが、みなさまのレビューを読んで、この死が“ネタ“ではないと感じ借りることができました。身近な人を亡くしたことのある人間には、純粋に故人を悼むことがどれほど難しいか思い当たるんじゃないかと思います。大好きだからこそ別れたくない。死を受け入れることができず、後悔ばかりが浮かんで、自分だけが日常に戻り忘れてしまう罪悪感や恐怖によって、むしろ大切な人を引き留めてしまう気持ちが痛いほど良く分かりました。最後にぽつりと出てくる輪廻転生が、ほんとに最後にポツリな所にもジンとしました。ほんとは未練で引き止めてしまいたいけれど、心の未練を一つずつ成仏させて、次の生も一緒に生きたいなって思うことができました。秀斗が言ったように、何に生まれ変わるかわからないけれど、安らかに送り出された魂は、きっとまた草や木や光や風のなかを巡って生きているんだと。朝顔や蝉のように、サッカーグラウンドを駆け回る秀斗のように何度も一生懸命に生きているんだと。

結果がわかっていても、2人の話が見たかった。切ないけど、身近な誰かを失くして、それから生きていく人たちの姿がそれぞれで、よりリアリティがありました。ただ泣くばかりでもなく、ぼう然とし続けるわけでもなく、みんな生きていく。幽玄くんの人間関係が広がっていく姿がまた良かった。生きていくって、色々な人たちと関わっていくことだから。

なんか久しぶりに漫画で泣きました。良かったけど切ないよ

ハピエン厨なので普段死ネタ物は読まないんですが、あらすじとサンプルで気になって購入しました。なんとなくBLを読んでる気がしない…切ない感じもあまりない…けど読み応えはすごくある…ここまでファンタジーだと輪廻転生した続編作れそうですね！出たら読みたいです！

沁みました。死から始まるけれど、幽霊になっても明るいし、爽やかで軽快に話が展開するので油断していました。少しづつ少しづつ、2人の少年の心の奥が、薄皮を剥ぐように表に出てきて、どんどん切なくなりました。生と死とを同時に味わっているからこそ、見えて来るものがあったんだろうな。秀斗が、自分の未練をなくす手伝いをさせているように見せて、実は、生きる意味も居場所も持たなかった幽玄に、これから生きる為の術を与えていたんですね。秀斗の想いの強さと優しさが切ないです。泣きました。死と生と、別な世界だから仕方ないし、この終わりは順当なのですが、それでも、ずっと2人、一緒に過ごす未来が見たい、と切に願ってしまいました。