レビュー一覧

再会した幼なじみが敵国の人間で…。久々に和泉先生を読みたくて購入しました。先生がカタコンベものが好きと初めて知りましたが、私も好きなので戦時下の複雑な事情に晒されて苦悩する受けの心情と合わせて世界観も堪能できました。円陣先生の表紙と挿絵も美味しかったです。

歴史に沿わせた二人の恋の物語。戦時下で敵対する立場に身を置きながらも子供の頃の初恋の情景を胸に秘め、恋情がじわりと広がり、恋に落ちていく様子の描き方が素敵でした。後ろにドヴォルザークの4つのロマンチックな小品あたりのクラシックのヴァイオリンの調べが似合いそうな作品でした。クラウスは本当はイリヤの事が好きでしょうがなかったんだろうなぁ。支配はクラウスなりの愛し方であり、逃してあげたのもまた彼なりの別れの美学があったからじゃないかと想像しています。良いものを読ませて頂きました。何度か読み直すと思います。

WW2時代のドイツが舞台というこのジャンルでは何とも珍しい設定で期待して読んだんですが、毒にも薬にもならない内容だったな…。恋愛パートは当て馬含め三角関係という状況で更に激動の時代を舞台としたせいでどちらの要素も大味になってしまった感がありました。せめて上下巻くらいあれば…。文章は読み易かったと思います。

幼い頃再会を約束した幼なじみの戦渦の恋物語。再会したら敵同士！歴史もの・タナトスの双子が好きな方は合うかな？と思いますが、意外とサラッと読めてしまいました。もう少し長くても良かったかな？当て馬の印象(魅力)が強く攻めの魅力が薄く感じてしまい勿体ない気がしました。和泉先生と円陣先生のタッグは好きなので電子でもイラストもあり良かったです。