レビュー一覧

オランダ人のドクターものは葛城しずく先生が一押しだったけれど、こんな可愛く、みんな優しいお話に仕上げるなんて流石の荻丸先生と感動。

原作はとてもオーソドックスで硬い感じさえする本なのですが、画家さんの腕前でシンプルだけれど可愛い明るい感じがプラスされてとてもいいです。

ベティ・ニールズはいろんな漫画家さんがコミカライズされていますが、荻丸先生の組み合わせ、たしか初めてですよね。原作はもうちょっと意地っ張りなイメージのヒロインですが、このコミックでは生真面目な年上の後見人ドクターとと一途な女の子、どっちも一歩踏み出せない二人の純愛という感じでホンワカ・じんわりしました。楽しかったー。

みんな幸せになれるお話。ベティニールズをこの作家さんが描くとこうなるんだぁという発見と喜びを感じました。表情や仕草でも登場人物の心の熱を感じさせることができる作家さんなので、いつもの何考えてるか分からない年上オランダ医者も、ちょっと感情が漏れちゃってて新鮮でした。よかったです。

毎回安定の純情ヒロイン×年上ドクターの王道で、代わり映えしないのに読んじゃうんだよね。年上ドクターの溺愛から来る意味不明の愛情表現も定番の笑いのツボです。

ベティ・ニールズを荻丸先生が描くとこうなるのか！なるほど。ヒーローが堅いのに気持ちダダ漏れで、ヒロイン守るためなら何でもやっちゃうみたいな感じが微笑ましい。しずく先生だとヒーローはもっと堅くて何考えてるのかわからず、ヒロインはもっともっと大人っぽいかな。という違いを感じながら堪能しました。

ヒーロー愛想なさすぎ(笑)でも誠実なヒロインにピッタリな誠実なヒーローでした。ヒロインのお祖父さんは大金持ちなのに質素な暮らしをしていましたが…結局は可愛いヒロイン(孫娘)に少しでも多く遺産を遺したかったのかな？

はぁー、最高でした。頭の固いヒーローと恋に臆病なヒロイン。少しずつ歩み寄るお互いの気持ち。読んでて幸せな気持ちになれました。荻丸先生はやはり凄いです。

いい話なんですが、後見人から抜け出した後の展開が雑すぎます。それまでのところはだらだらと長いのに肝心なところが省略されてる感じ。ラスト１０ページはもっと丁寧な話で読みたかった。

この作者さんには珍しい感じだなぁと思いましたが、お話が優しくて、主人公たちがお互い真面目で一歩が踏み出せないあたり、すごく感じが出ていて良かったです。年の差、身分差、子供っぽいとかなんて気にせず、頑張って良かったね。