レビュー一覧

すべての子どもたち、保護者、そして教育関係者に読んでもらいたい作品。スクールセクハラの実態がよく描かれており、作者の本気を感じます。現在、日本では性交同意年齢は13歳である（性被害を受けても「同意」があったとされてしまう）ことや、性差別的な価値観にも触れられています。3巻では孤立無援だった主人公を助けてくれそうな人たちが登場します。どのような展開になるのか期待をもって続刊を待ちます。

スクール・セクハラや性犯罪の事で知ってるようで知らない事の方が多かったです。性行同意年齢１３歳って…！これは是非教師の方や保護者の方にも読んでいただきたいですし、学校の保健室に置くべきだと思いました。教師は激務な上、やることが多く常に仕事に追われ、モンペの問題なども多くプライベートも削る事が当たり前になっている。そして教師に限らず、多様性のある時代になった今の日本社会は令和になっても「女のコだから」とか「隙きがある」など凝り固まった先入観が、それが当たり前で普通のように先行している。本当に難しい問題です。助けたい思いが必死で一人悩み足掻き苦しみ視野が狭くなり孤立していく主人公を見ていて辛い気持ちになりましたが、巻が増すごとに助言やサポートしてくれる人たちが出てきて、主人公と同じように自分も色々な事に気づけていきました。

今は保健室登校じゃなくてもいろんな仕事の人が学校にいる。メンタル面を支えながらとかそういう役の人。でも、その人も我慢が聞かない人もいる。　だからせっかく話したのに担任に伝わっていなかった時とか本当にがっかりします。養護の先生もしかりだが、誰かに話せるって心が軽くなりますよね。子供は学校が社会ですからそこで相談できないと本当にうっぷんがたまります。

すごく　心が締め付けられるし、切なくなるし、でも　見て見ぬふりはできない問題だと思いました。

一巻と二巻では日本の教育現場での虐待に対する対応体制の脆さが出ていて、悶々とした気分になりました。主人公の正義感溢れる姿に希望を感じつつ、それだけで突っ走る姿に少しイライラ。被害者生徒の家に乗り込んでいって他の先生と親の前で虐待の有無を問い詰める場面、あれは一番やってはいけないことですよ....。三巻の終わりでいよいよ逆襲の予感がしたので、期待を込めて星は３つです。

学校は聖域、教師は聖職。それはもう幻想なのだと思います。そして日本社会に根深く影を落とすジェンダーの問題もはっきりさせる良作でした。昭和の頃からあまり変わっていないのは我々世代の努力不足かもしれない。

こういう作品を　読むと、だから、ほのとに　教師以上に　学校でのカウンセラーの必要性を感じます。子供の逃げ込み寺が　学校にあっていいと思います。

一度こういう事があると何年も苦しむんだと思う。わたしが通っていた学校でももしかしたらあったのか。なかなか人に言えない問題だし、気づかれにくいことなのだと思う。子供がもし犠牲になったらどのような対応をすればいいのか。考えさせられました。

卑怯で卑劣な大人に目をつけられ酷い目に遭わされた被害者が、何でさらに世間から叩かれなけりゃならんのか。経済性が好きな人々は、引きこもりを増産した罪は裁かなくていいのか？

読み応えありました！世の中のむづかしさがでてます