レビュー一覧

どうせ叶わない、そんな気持ちを持て余した男たちの話と言うと、BLの導入部なんてそんなものでしょと思うかもしれませんが、暴走する者、そっと胸にしまう者、向き合おうとする者、それぞれの登場人物たちが三者三様の展開を繰り広げています。この作者さんの描く、さして優しくない、さして気がきかない、どこかすっとぼけた、つまり普通にそこらにいる男達が、多少重い話をもさらりとしたたかに展開させていきます。特に表題作は、どうせ叶わないならこの気持ちすらなかったことにとか他の何かとすり替えちまえとか、あちこちぶつかりながら迎える最後の場面は、素晴らしい失恋と題するにふさわしい展開でした。

スーツ・メガネ・オヤジ、萌えます。BLなのにボーイズ不在ですが、大人の不器用な恋愛模様は盛りだくさんです。ストーリーの面白さにハマると、他の作品も読んでみたくなる中毒性のある作家さんだと思います。たまに現れる遊び心？に うっかり笑ってしまったら、西田ワールドから逃げられないかも知れません。

恋愛小説を読んでるかのような、BLとは思えない中身の濃さです。基本的におじさんが多いのですが、だから余計に心理描写が複雑で読み応えがあります。実は前にどこかで読んだ事があるのに、また借りてしまいました。精神的な恋愛を求める方にお薦めです。

西田東先生は大好きで全部読んでいますが、１、２を争う好きな一冊です。特に（おまけの短いお話は除いて数えて）最後に収録されてる話は何度読んでも泣きます。こちらの単行本は紙でも持ってるのですが、実家に置いてきてしまったので久しぶりに読みたくなってレンタルしました。表題作もですが、年下の仕事の出来る男が年上のおっさん上司に片思いという西野さんお得意のパターンが好きな方なら是非読んで欲しいのは個人的には最後の話です。その他の話もそれぞれ働く男達が繰り広げるシリアスかつ淡々と、時に軽快な気の抜けたギャグを交えて西田東節全開です。いつものことですが話が進むまでどっちが受けだか攻めだかわからない（西田さんを読み慣れてくると大体わかるようになってきますがそれでもたまにそっちか！ってなります　笑）展開も魅力です♪

懐かしい本棚漁っていたら未レビュー発見し再読。この方のはほぼコンプしているので、しかも短編集ともなると既視感は否めませんが、だからといって面白くないということがないのが不思議。善人も悪人も、人間すべて愛すべきものとして描かれているのがこの方の特長のひとつで、だからこそ気持ちがわかるし嬉しくも悲しくもなります。特に本作はまさに「素晴らしい失恋」話なので沁みるものがありますね。ちなみに「奪う男」シリーズではありますが、特に重要な繋がりはないので、未読の方は全部読む必要はないと思います。気になったものからどうぞ。

まさかの未レビュー。もう何年も前、何度も読み返していた作品。リーマンおじ様いっぱいです。あの頃の西田作品って、ナイスミドル、ヒリヒリ感セットでしたよね。最近のは甘くなりましたが。すごいクオリティの短編集だと思いますが、おそらく最近のわたしが年老いて、blはファンタジーでいいやって気分だったので、このちょっとビターなテイストに少しばかり苦しくなって星4で。

表題作「すばらしい失恋」と最後の「いちばんの愛」に星５つです！！どちらも仕事をバリバリこなすサラリーマンが上司であるオジサマに恋をしている話で、もしかしたら本当は両思いなのかもしれないのに、最終的にはサラリーマンの失恋(なんだろうな)…という切ない展開に、読んでいて目頭が熱くなりました。この作者様、上司との切ない恋愛を書かせたら右に出る者はいないのでは…。どれも短編で、それで、この後どーなるのよ！？サラリーマンを幸せにしてあげてよ！？ってところで終わってしまうので、ひとつひとつを長編でじっくり読みたい！！と思わずにはいられません。

西田さんのリーマンものが好きな人にはバッチリだと思います。私も、西田作品の中でTOP3に入る好きな本です。可愛い受けとか綺麗な受けでないといけない人には合わないでしょう。いつも王道からハズレたCPにハマる人は、試しに読んでみるといいかと思います。

私にはあまりはまりませんでした。結構期待してたのもだめだったのかな。つまらないわけではないけど…。人によってはまるはまらないがあるみたいです。

西田さんの作品は結構読んでます。何度かレビューも書いてますが、絵は正直好みではありません…あまり上手ではないので。それは後書きでご本人も書かれてますが(苦笑) でもストーリーはどれも面白いですし、短編集でもうまく纏まっていて読みやすいです。絵のキラキラ感や若さ重視の方には向きませんが、ストーリー重視やおっさん好きにはオススメです。