レビュー一覧

楠田さん初めてのミステリーもの、とても面白かったです。中盤まで何度か「アレ？私が読んでるのってBLじゃなかったっけ？」と思いましたが、ご心配なく　最後はしっかりとボーイズがラブして終わります。ミステリー好きだったら最初の犠牲者が出た後くらいでおおよその筋道が読めてきますが、楠田さんのしっかりとした文章とキャラクターたちの描写でスイスイと一気に読ませてくれます。ミステリーがあまり好きで無い方にとっても楽しめる作品だと思います。それにしても若松は本当にウンコでした。はっきりと“天罰”が下ったとは言えないのですが、こういう輩は刑務所でモンモン背負ったアニキたちのアンコとして無理やり身体を好き勝手される苦しみを味わっていただきたい。とても読み応えがある＆読後感の良い良作でした。

本当に面白かった。ミステリーとしてもBLとしても優秀です。最初試し読みで犯人が分かってしまうし、主人公も分かる。でもこれはBL。この二人が結ばれるだろうけどどんなふうに？どんな事件が待ってるんだろうとすぐに購入した。結果、本当に面白かったです。涙あり、キュンキュンありで番外編からもえ！という結果に。個人的にミステリーは好きで、これは色々と良い意味で素晴らしい作品。こんな内容ならBLじゃなくてもと思う人もいるだろうが、もし主人公が女性なら安っぽくなると思う。会って間もない女性をナンパする男に信頼も何も無いわけだし。だからこの話はBLで良かったと思いました。

面白かったです。主人公に要素があるもんでＢＬのくくりになるんでしょうが、そこら辺の具体的なページをカットしちゃったら普通にノベル（小説と言わないところを察して欲しい）として楽しめます。そういう意味で作者さんが言うように恋愛ものでなくミステリーなんでしょう。でも一気に読めちゃいましたよ。

ｂｌとか抜きで読み物として面白い、ミステリー作品。以前のｂｌは意欲作というかｂｌがつけば何でも有りな自由さ懐の深さが魅力でしたが近年はオメガバースやら主体の味気ない作品が多いです。勿論オメガバースも素敵な作品はありますが漫画に比べて格段に狭く感じて書店でのスペースも小さくなっていくばかり。凪良ゆうさんみたいにｂｌの枠だけに収まらない作家さんの登場もありますが、こういった読み物として先ず面白い作品がｂｌでもあるというのはｂｌ小説愛読する者として嬉しいです。

ミステリーを読み慣れた人は予想できちゃうかもしれないですが、私は最後まで飽きずに読みました。種明かしの部分は無理がある気もしますし、犯人にも理由があるとはいえ法治国家である以上、やってはいけないことですしね…。そういう重いテーマとBLを絡めるにはページが足りないと思います。BがLする点で物足りなかったです。

読み進めていくなかで、ずっとあった違和感も、最後の方で理由がわかり「ああ、そうだったのね」と納得しました。ただ、理由がどうあれ犯罪は犯罪です。たとえ周りが口を閉ざしても。だって、かなりエグいことしてますよ、『彼』。ホテルサイドもいい迷惑です。これからも『彼』は大変だと思い同情もしますが、そこだけはモヤっとしました。

初めての作家さんでしたが、読み応えのある作品でした。中だるみすることもなく、このまま行ってハピエンで終わるには一体どうなるんだろう……なんて想像して楽しめました。

瑞樹の生い立ちやお姉さんの事がだんだんと分かってくるので、誰が犯人か最後まで分かりませんでした。旅の同行取材をするフリーライターの阿久津さんが魅力的で、何とか助けようと奮闘している姿が素敵でした。大手銀行の子息が本当に最悪で過去の事件に関わっている人も皆曲者ばかりで嫌な人ばかりでした。最後にちゃんと反省して謝る人、まだ自分の罪を認めずでも謝るだけは謝る人と人間性が分かれていて理不尽さが際立ってました。犯人が本当に可哀想でしたが、告発本が出て過去の悪事が明らかになり裁判がきちんとされたので読後感は良かったです。犯人に何も罰則がないのは不思議でなりませんが。最後は幸せそうな2人が見れたので良かったです。

とてもつまらなくて、高評価の理由がわかりません。ミステリー仕立てではありますが、犯人も動機もかなり序盤からわかりやすくほのめかされているし、犯行時のトリックもやや無理矢理で読み進めるのが困難なほど面白みがありません。ラブやエロはいたって淡白で、いつの間にか両想いになって結ばれて終わります。登場人物も薄っぺらな肉付けしかされていません。この内容の薄さでこのページ数はおかしい。

ミステリーとしても面白かったです。ただ、全くのおとがめなしは、せっかくのストーリーの厚みがもったいなかったな、と思います。