レビュー一覧

え、表紙からして買いでしょう。作家陣最高、そして中身も緊張感溢れる捜査ものに眼福感満載のイラスト入り、文画両方からメンタル粟立ちまくりです。オメガバース好きじゃないとか思いながらも大好きな作家さんが続々参戦されていく…。そりゃ買いますよ。好きじゃないけど大好きだもの。結果大いに満足、オメガバースのなんとなく好きじゃないところがとても美味しく料理されてます。舞台は性差別思想犯罪に対応する警視庁刑事部捜査第一課特別捜査班第五係（…長いわ）、瓜生は自らのΩ性を武器とする新人囮捜査官、しなやかで折れない誇り高い雄のΩ、司波は理性的で完璧なα然とした中に深い後悔を抱えた五係の統括者、囮Ω瓜生の全てを担って運用するオペレーション・パートナー。道具なのか武器なのか片腕なのか泣き所なのか、ただのフェロモンの作用なのか仕事なのか情なのか愛なのかその関係性から目が離せません。瓜生ら五係が解決すべき事件はΩが迫害される残酷でやりきれないものでしたがスリリングな展開に引き込まれてしまいます。もちろんオメガバース没頭エロも極上、色気溢れる2人がたっぷり味わえます。一読してネタバレしてもまた何度も読み返したくなるくらいの熱い読み物、ステイホームにもってこいですよ。

今まで何冊か読ませていただいてる作者様ですが、相変わらずの骨太なストーリー構成で、読んでいて久々にしっかりしたBL読んだなーと思いました。個人的にこの方の文章はある程度硬めで、でも読みやすくて非常に好みです。今回は作者様初のオメガバースものとのことで、これもまたしっかり設定が練られてるなと文章の端々から感じます。コメディもイケる作者様ですが、今作はシリアスハードで途中に少しだけグロ表現が出ますが私は平気でした。警察小説等読むことがある方は問題ないと思いますが、苦手な方はご注意を。今作は設定柄作者様の中でもエロは激しめではないでしょうか。ストーリーもエロもガッツリ楽しませていただきました！

いろんなオメガもの読んできましたが、オメガが虐げられてるというか人権無視みたいな感じで扱われている設定のはやっぱり素直に読めないなあ・・・全くの個人的な好みだし、このお話はそれが大前提で、そうでないと話が始まらないんだけど・・・

オメガの人権がものすごく低い世界で、オメガが囮になって捜査をする物語です。そういう世界でも胸を張ってかっこよく生きているオメガがとても魅力的でした。途中でものすごくグロい表現が出てきたので(バラバラの死体みたいな感じの)そういうのが平気な方のみお読みください。

概ね楽しく読めました。が、主人公が恋愛脳過ぎてかなりイライラしました。

胸糞悪い世界観…とは言えオメガバース物は多かれ少なかれこういう感じなんですが。おもちゃにしていい、からもっと先の潰していい壊していいはやりすぎな世界です。まあ恋愛方向では甘々で、危険な任務でも危機一髪大丈夫なので、そっちの地雷には引っ掛かりません。

season2まで読みました。1巻のようなグロはないですが、2巻の方が全寮制学校というカーストを凝縮した閉鎖環境のため、オメガの扱われ方がより悲惨だと感じました。もう生贄です。主人公二人は公私にわたってパートナーになっていて恋愛部分のジレジレはありません。今回も面白くはあったんですが、<完結>の割には、今後組織の思惑と個人の感情の相克が予想される含みが持たせてあって、えッここで終わり！？的消化不良感が拭えませんでした。もしかしてあの人物と新人で新章とかあったりするのかも。

小説を読むのはすごく久しぶりだったのですが、内容も内容だったのですごく読み応えがあって、楽しめました！事件に巻き込まれるとは想像していたのですが、どういう風に進んで行くのかすごく引き込まれて、楽しかったです！

主人公のΩが過去にどんなひどい目にあったとかはよくある話。でもこれは本人の過去ではなくΩを虐げる社会が描かれていて、瓜生(Ω）がとても強い意志をもって生きている。仕事上パートナーのαは最初は冷酷な感じなのに、ちらちらと過去の悔いが出てきて弱い部分が見え隠れする中でも「俺はαだ」と自分を奮い立たせていてちょっと切ない。グロがきつい部分があるけど惹き込まれるストーリー展開で買って良かった。

Ωの背景にあるものがこんなにも苦しくなったのは初めてです。星一つ減ったのはお互いが惹かれ合う過程が急だな、と。